プリンターはなんと言っているんだ2011   

先々週に大変な思いでCM仕事を終えて以降、間髪入れずにはじまる予定だった別件のロケハンと打ち合わせが来年へリスケとなり、さらにはクライアント主催で行われるはずだった焼き肉パーティも来年へと持ち越され、年内もう一件あるはずの打ち合わせもとんと連絡が来ないので、どうやら今年は例年にない余裕の年の瀬を迎えるべく早々に店じまいでも宣言しようかと思っていたところ、28日に異例の朝8時からの打ち合わせが入ってしまったものの、どうやら自宅作業による年またぎの仕事を抱えることもなく、おかげで今年は早々と年賀状の印刷に取りかかっている最中だ。

年賀状といえば、プリントごっこでぎったんばっこん何色もの原稿をつくっては床に陣取り5、6回の重ね刷りをしていた頃が今や昔、紙質や色味にはこだわるけれども、印刷はクリックひとつで済んでしまう完全プリンター任せになってしまった。
あのプリントごっこの印刷ズレも、アナログ感や手作り感として捨てがたい魅力ではあったけれども、前屈みで(100枚×5刷=)500回ほどのぎったんばっこんを繰り返す徹夜作業による背中から腰にかけての多大なる負担、そして数年前ついにプリントごっこ自体が生産中止となってしまっては別の方策へとシフトせざるを得ず、遅まきながらも我が家の年賀状にも近代化の波が押し寄せた次第。

こうしてパソコンに向かいブログを更新している私の横では、今まさにプリンターがフル稼働して、私の年賀状を少しも休まず印刷してくれている。一枚一枚を丁寧な高画質印刷にしているので、プリンターは火を吹くかと思うくらい大車輪の活躍だ。

そしてしばらく音楽もかけずに、ただなんとはなしに単調に繰り返されるプリンターの動作音を延々と聞いているうちに、この音の適切なオノマトペ(擬音)とは一体なんなんだろうかと思った。

たとえばパトカーのオノマトペは”ピーポーピーポー”であって、これに勝るオノマペはない。機関車は”シュシュポッポ”で、ロボットは”ウィーンガシャン”、雷は”ピカーッゴロゴロゴロ”で、くしゃみは”ハクション”、沈黙にさえ”シーン”という具合に、世の中のありとある事物事象には記号化されたオノマトペというものがたいがい存在するが、このプリンターは果たしてどうだ。
この世にプリンターが誕生してかれこれうん十年も経っているというのに、プリンター動作音の”これだ!”という最適なオノマトペが未だにないとはどうしたことだ。こんなことでは、来るべきユビキタス社会に示しがつかないではないか。そもそもユビキタス社会のなんたるかをまったく理解していないが、ちょうどいい機会だ、ここで「プリンターのオノマトペ」を明文化することにより是非これからのユビキタス社会に役立てていただきたいものだ。

こうして擬音化をするために、私は改めてプリンター動作音に耳を澄ませてみた。
なるほどこれまでオノマトペ化されてこなかっただけあって、実に曖昧な音の連続である。しかし何枚も何枚も印刷音を聞いているうち、私はひとつの結論を導き出した。
ブリンターの動作音、そのすべてのメーカー全機種が同一かどうかは知ったことではないが、少なくとも我が家のエプソンブリンターのオノマトペは、ズバリこうである。


「ほーにょ、ほにょほにょ…」


さかなの子ではないし、青い海からやってこない。もちろん言葉には意味のない"ほにょ"だ。
こうして”ほにょ”がしばらくつづき、印字のヘッドがトップに戻るとまた
“ほーにょ、ほにょほにょ…”と繰り返される。

プリンターのオノマトペ、それは
「ほーにょ、ほにょほにょ」だった。



しかし話はこれに止まらない。
このプリンター動作音、"ほにょ"と聞こえたあとも空耳のように違う音へと変容し、しかも今度は既存の言葉や単語に聞こえてくるのだから不思議だ。
たとえば「ほーにょ、ほにょほにょ」が次にはこう聞こえてきたのだ。


「ホーネ、骨骨骨…」


これなどは"ほにょ"と系列が近しいが、たとえばこうも聞こえたりなんかして、プリンターは私を戸惑わす。

「メイク・ラヴ、メイク・ラヴ、メイク・ラヴ…」

この機械めが。
さらに次には「メイプル」と聞こえてきもし、突然「メイプル」と言われてもと動揺を隠せない私に、プリンターは次々と間髪入れずに変幻自在な擬音を放ってくるのだから、次の年賀状ではどう聞こえてくるのかもう耳が離せない状態だ。

そんなわけで以下、プリンターの暴走ぶりをここに一気に記してみようと思う。

「ミニクラブ、ミニクラブ、ミニクラブ…」

「上の位、上の位、上の位…」

「民間、民間、民間…」

「ウィルコム、ウィルコム、ウィルコム…」

「売れっ子、売れっ子、売れっ子…」

「マッコイ、マッコイ、マッコイ…」

「はっけよい、はっけよい、はっけよい…」

「ラヴミー、ラヴミー、ラヴミー…」

「9回、9回、9回…」

「めいこい、めんこい、めんこい…」

「ニュートラ、ニュートラ、ニュートラ…」


ここに挙げたすべてが、私が意図してこう聞こうと自分の耳を誘導したつもりはまったくなく、耳は入ってきた音の繰り返しが次第次第にこう聞こえてきたにすぎないが、"民間"だの"9回"だの、なんとまあ一貫性のない言葉の数々だろう。

このテキストを見ながら、あなたのお家のブリンターと聞き比べてみて欲しい。きっといくつかの言葉に誘導されて同じように聞こえてくるはずだ。そして「ああ、このブログを書いている人のうちのプリンターと、私んちのプリンターの音は同じだったんんだなー」とでも思っていたければこれ幸いだ。や、別に幸いでもないな。ほーにょほにょほにょ。

# by wtaiken | 2011-12-26 00:47

んでもって違う訳による日本語字幕版   

訳によってまったくニュアンスが変わってしまうといういい例です。
こっちの訳がいいんじゃないかと思えるところもあれば、それは直訳すぎだろ、というところもあって一長一短ですが。
たとえばセリーナ・カイルのセリフは前のものより今回の方がいいように思うし、ゴードンスピーチのところやベインのところなどはあんまり感心しない訳だと思うんですが、如何でしょう。比較して観てください。

# by wtaiken | 2011-12-22 16:02 | 蝙蝠男の孤高の戦いは続くのか

TDKR trailer2についてのあれこれ   

それにしてもファンてのはなんですな、1シーン1シーンキャプチャーし目を皿のようにしては物語の手がかりを見つけようとするもんなんですな。私なんかあまちゃんです。

そんなわけで、トレイラー第二弾フィーバーもクールダウンしてきたところで、ちょっとずつ検討してみようかと。


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ロビンのロゴ問題。やっぱりゴッサムのアメフトチーム名"ROGUES"の"R"。そしてこれはロビン登場の伏線というよりは、やっぱりイースターエッグ(いたずら)ととらえられているようです。

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この杖をついている人物。撮影中にもその姿が確認された、これは8年後の、ちょっと肉体的にもダメージヴァージョンであるブルース・ウェインですね。これは間違いない。

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新しいウェイン邸、でも「ビギンズ」ラストの宣言通り、昔のウェイン邸と寸分違わず古色蒼然といった感じ。落成式なのかね?

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その新しいウェイン邸で、解任されたゴードンのスピーチが、またぞろハービー・デントを偲んでの?

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で、つづく上のカットと、あとあと出てくる下の2カットで、ブルース・ウェインが杖をついている指摘が矢印と丸枠でされています。
加齢によるものか、ベインとの戦いによるものか...?

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ウェイン邸のマスクト・パーティっすか? この姿がキャットウーマンになっていくってこと? すでに猫耳もついてるしね。

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これはどこだ、と。地下水道じゃねーかという人に対し、
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足元見てみなよ、地下鉄の線路がのぞいてますよ、と指摘されてました。
そういえばニューヨークでだったか、地下鉄構内撮影がありました。そこにはゴードン、ブルース、セリーナキャットウーマンも参加、その撮影されたシーンへとつながっていくんでしょうか。

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こりゃ監獄だろうと。点在しているのは囚人だろうと。
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ブルースも投獄。髭も生えている。うしろの老人は何ものだ?
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そしてこれは第一弾のティザー・トレイラーで、おそらくブルースだろう人が腕立て伏せをしているシーンのバックがまさにここ!
つまりにブルースはRISEすべく「明日のために、その1!」なのだろう。
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で、ロケーションはここだろう、と。インドにあるChand Baoriと呼ばれる井戸。あるいはこれを参考にセット撮影かな?

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徹底的に撮影することにこだわるクリストファー・ノーラン監督も、さすがにスタジアム一個つぶすほどのことはすまい。VFXも大掛かりになってきてるなあ。

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これもティザー・トレイラーで一瞬カットインされていたベイン(下)と、今回「ゴッサムが灰になるとき、お前が死ぬ時だ」といっているシーン(上)と背景が同じ、という指摘。だから?という発見ではあるがな。

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ミランダ・テートも仮面舞踏会に来ているようで。ヘンリー・デュカード(リーアム・ニーソン)a.k.a.ラーズ・アル・グールの娘として、ゴッサム崩壊を画策する悪の首領として、のちのち豹変するんでしょうか。

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下のカット、予告篇では暗すぎてなんだかわかんないと思われた方もいるかと。これはスーツ姿で黒覆面の男がビルからダイヴしているシーンなんですが、これもまたブルースだろうと。おそらく。
そしてティザーの衝撃的だったシーン(上)からのつながりだろうという指摘です。私もそうだろうと思う。
ゴードンが話しているのは、このあとダイビングする黒覆面の男。これは「ビギンズ」でも同様の姿で、初めてゴードンの前(背後?)に現れているしね。

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こりゃ崩落するスタジアムのバックヤードですね、おそらく。果たしてどういう登場で、どういう関わりを持ち、そしてなにゆえキャットウーマンとなって、バットマンをサポート(?)するのか、ベインよりむしろキャットウーマンの方に謎が多い。

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この予告篇唯一の登場、ジョン・ブレイク。いいね、ジョセフ。

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夜間勤務の多かったバットマンも、ゴッサムを死守するためには昼夜問わずになってしまっているようで。大変だ、ヒーローは。

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来たね、バットウィング。全体像はコウモリというより、昆虫がモチーフのような形状。
くどいけど「ダークナイト」でのバットポッド登場が、個人映画史一番の、"テンションが上がる"シーンだったので、この空飛ぶモービルの誕生経緯に期待大です!
ちなみに、撮影では下からの支柱で、クルマに乗せ走らせています。あるいはワイヤーで宙づりのときもあったけど。つまりCGじゃないってことです。


最後は、「インセプション」でクールに決めまくっていた、ダニエル・グレイグとともに時期ジェームス・ボンド役候補でもあったトム・ハーディが、不敵な声色を駆使して演じているベインの、モノクロでイカしたスチル。
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# by wtaiken | 2011-12-22 15:38 | 蝙蝠男の孤高の戦いは続くのか

「ダークナイト ライジング」予告篇第二弾に、さらなる伏線が...   

エンタメニュースでもトレイラーの第二弾公開が伝えられてます。こちらに。

で、その映像に、ロビンのロゴマークをこっそり忍ばせていることは昨日書きましたが、さらにこの予告篇では物語についての重要な伏線が張られているのではあるまいかという指摘がされています。
情報源はこちら。


要約すると、問題視されているのがセリーナ・カイルa.k.a.キャットウーマンのこのシーン。
「ダークナイト ライジング」予告篇第二弾に、さらなる伏線が..._c0018492_2103767.jpg
一見どこが?なにが?と思われるでしょうね、ほとんどの誰もが。
私もそうです。ただ、この真ん中のパールの粒が大きくて左右に小さくなっていくというデザインのネックレス、どこかで見覚えが...とは確かに思ったのよ。
それが私の場合は別段深読みもせずにスルーしちゃったわけだけど、鋭いファンてのがいるものですね世の中には。
次にアップしている画像が「バットマン ビギンズ」で、ブルース・ウェインの父が母にプレゼントしたネックレスなんだけど...!
「ダークナイト ライジング」予告篇第二弾に、さらなる伏線が..._c0018492_2113843.jpg

な。
同じデザイン! と。ま、こう指摘されているわけです。ただし「バットマン ビギンズ」でジョー・チルという男に二人が射殺されたときこのネックレスはクラッシュしているので、"そのものズバリ"ではないにしろ、なにがしかの意味ありとみていいようです。
だって、厳選されたカットの集積であるはずのトレイラーに、ただネックレスをセリーナ・カイルが装具しているカットをあえて入れるかい?ってこと。

「いまひとつ盛り上がりに欠けるなあ」なんぞと、このトレイラーを評している向きもありますが、(もちろんそりゃそうだ、評価は人それぞれ)クリストファー・ノーラン版バットマンの生命線はなんといってもシナリオです! たかだか2分くらいの予告篇でそんなこと言っちゃダメ!

これで、公開までまとまった映像が観られるのは、最終トレイラーがリリースされるであろう、おそらく4月か5月。
とはいえ公開まで興味を牽引したいだろうワーナー・ブラザーズとしては、これからも断続的にバイラル・キャンペーンを打ってくるんだろうと思われますので、「TDKR」熱、鎮静しないっすよ、まだまだ。

# by wtaiken | 2011-12-21 02:36 | 蝙蝠男の孤高の戦いは続くのか

日本語字幕入りでございます   

そういうことで。

一体、あのエッシャーの絵のようなところは牢獄なのか、どこなのか。ブルースに「RISE!(立ち上がれ)」とシュプレヒコールしているのは何者たちなのか、愉しみですね。

# by wtaiken | 2011-12-20 13:26 | 蝙蝠男の孤高の戦いは続くのか