2014 マイ・シネマランキング ベスト10   

暇を持て余す大学生じゃあるまいに、昨年は「1年365本映画を観るぞ!」と社会人にあるまじきノルマを課したおかげで、年間397本鑑賞という自分としては偉業を成し遂げたものの、それは単なる「趣味」から逸脱としているような、なにか数字に追われる営業マンのような息苦しい感じがし、年間500本や1000本といったさらなる高みを目指すことも考えられたが、それは老後の課題に残しておき、今年は観たい映画を観たい時にのんびり観ていくつもりが、染み付いてしまった「暇とあらば映画を観る」体質はそう簡単に変えられるものではなかったようで、前回チラと各月毎の本数をお伝えしたその総数が12月27日現在232本という、「お前ちゃんと働いているのか」疑惑でも招きそうなことになってはいるものの、この数はここ4年間で最低本数だったりする。

まあそれはそれとして、これは今年に限らず毎年の傾向として、私が観るのは主に古い映画ばかり、ただ茫漠とやみくもに旧作を観ていることもあれば、なにかをきっかけに突如訪れるマイ・ブームでひとつのカテゴリー一辺倒になることもあり、それが今年上半期は、不謹慎な言い方かもしれない、まるで追悼を先読みしたような、若き日の高倉健や菅原文太が大活躍する東映任侠映画ブームがあり、下半期はイギリスのEMPIRE誌発表の読者アンケートによる「オール・タイム・ベスト301本」なるランキング中未見の映画が100本もあったことにショックを受けて、それらを一本一本地道に観てはつぶすブームがあった。ちなみに今のところ約半数を鑑賞し、残りあと53本となって、これは少しノルマに近い感触があるけれど、来年も引き続き実行したいと思っている。

さて、今年も残り数日となり、大掃除やら年賀状やら家のことにおおわらわとなって怒濤の年越しへ向け一気に加速しそうな昨今、もしかしたらこのあととんでもない傑作に出逢わないとは限らないものの、ちょっと宇多丸の「ウィーク・エンド・シャッフル」に影響されたわけではないと言い切れない、この時点での2014年に観た映画のマイ・ベスト10でも発表しようかなあ、と。

で、カウントダウン! なんてもったいぶることもないので、まずはとっとと第1位から。


第1位 昭和残侠伝 血染の唐獅子(1967) 監督 マキノ雅弘

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「鳶職」の世界、お葬式に「木遣り歌」が流れ、高倉健の役名が「ひでじ」とくりゃ、もうマイ・フェイバリットドラマ「前略おふくろ様」を彷彿としてしまう。
個人的には「昭和残侠伝」シリーズではこの一作が飛び抜けて傑作であり、いちいち高倉健のセリフが決まりすぎ、随所に散りばめられた捨て台詞もまたついつい画面に向かって「よ、健さん!」と声をかけてしまうほどにイカしている。

このブログでもちょくちょく言葉として出てくる「がまん劇」がこのシリーズの基本で、主人公の高倉健 (他のシリーズでは菅原文太や鶴田浩二) が巨悪な組織に理不尽な嫌がらせやあからさまな暴力を受け、それにじっと堪えに堪えるのだが、その我慢が限界を超えるクライマックス、怒濤の殴りこみへと突き進むという、のちの「必殺シリーズ」に連綿と受け継がれる物語構造がこのシリーズやその他多くの東映任侠もののパターンである。
いつも敵対する側に属する池部良が、反旗を翻して高倉健に「お供されて戴きます!」と言って殴りこみをかける二人の道行に流れる「唐獅子ぼーたぁあぁん」のいつもの熱唱も、改めて寅さんシリーズを引き合いに出すまでもないそのマンネリズムこそが、心地よい安定や安心を与えてくれるのだ。
私の任侠映画ブームは、別の面では藤純子ブームであったわけだが、にわか藤純子ファンとしても、有名な緋牡丹お竜シリーズの男勝りなお姉さんよりも、けなげにつくすかわいい女を演じることの多かった昭和残侠伝シリーズの方がやっぱり好きだし、その中でもこの作での藤純子がベスト。
「やだわ、やくざの映画なんて」なんて言わないで、「ぽっぽや」だとか「南極物語」だとか「幸せの黄色いハンカチ」だとかの "いい人" すぎる高倉健ばかりじゃなくって、ドスを脳天から力任せ振り下ろす修羅の高倉健も、是非この機会に追悼の意も込めて観て欲しい一本。


第2位 インターステラー (2015)  監督 クリストファー・ノーラン

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映画館に3度も通いながらベスト10に入らないじゃ道理が通らない。1位にしないところが我ながら照れ隠しな感じがしなくもないが。
改めていいところを書くまでもないだろう、さんざんやってきたことだから。
荒唐無稽を愛することもまた映画の楽しみ方のひとつだとだけ言っておきたい。
そして「ダークナイト」を “ アメコミ映画の枠から大きくはみだしたリアル都市型犯罪映画だ ” などと勘違いの絶賛をした人ほど「ダークナイト ライジング」に絶望し、そしてこの「インターステラー」だ。
クリストファー・ノーランは完璧主義者でもリアル志向の監督でもまったくないことを明示した、「残る」か「残らない」かをふるいにかける踏み絵的映画だったと思う。


第3位 暖簾 (1958)  監督 川島雄三

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とんだ駄作・珍作もあるにはあるが、おおむね傑作揃いだと思っている川島雄三フィルモグラフィの中において、「あれそういえば観ていなかったな」だったこの一作。
川島雄三、というよりは、いやはや主演の森繁久彌の凄さを改めて思い知る一作というか。同監督×主演コンビによるもうひとつの傑作「青べか物語」のソフト化が待たれる。


第4位 ホットファズー俺たちスーパーポリスメン!ー (2007)  監督 エドガー・ライト

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ついつい見逃したままビッグタイトルだけに「観たような気になれるから観なくていいか」系でバスしていた諸作の多かった「オール・タイム・ベスト301本」ランキング未見の映画100本中、これはなんとなくタイトルに見覚えが…程度の作品でした。
「観たような気になれるから観なくていいか」系は、「ああやっぱりどこかで観たような映画だったな」と、私的には可もなく不可もない映画がほとんどだったけど、これは狙っても大概外しがちな、カッコ良さとお笑いの見事なバランスのとれた最高の作品なんじゃないでしょうか。
サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、エドガー・ライトのトリオものでは他にもランキングされた2作「ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界」と「ショーン・オブ・ザ・デッド」より本作を強くオススメしたい。


...と、第5位以下は引き続き本日のどこかで。もう眠いや。

by wtaiken | 2014-12-27 02:52 | なんでもベスト10

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