旧3部作のBlu-rayを観てみた   

2011年購入から、かれこれ3年経つのに、いまだ観ていなかった「スターウォーズ」トリロジーBlu-ray BOX から、旧3部作を初視聴しました。

購入時、旧3部作を先に観てしまうと、きっと新3部作は一度も観ないまま放置されてしまうだろうからと、ここはひとつ苦行をするつもりで、不本意ながらエピソード順に観てみるかとDISC1から観はじめてみたものの、ポッドレースのゲーム映像を延々と観せられているかのような退屈極まりないエピソード1で気持ちが萎えてしまい、以降観る気の失せたまま最近まで放ったらかしにしていたBOXを、久しぶりの新作ニュースで気分が右肩上がりにきたところで、ここは一気にどうでもいいエピソード2も3もすっ飛ばして本懐を遂げたわけで、果たしてBlu-ray画質はどうなのかといった検証は、これまたやりっぱなしのままな「いまさらながらのBlu-ray版批評」記事にまとめるべきところを、前回新作「スターウォーズ」にふれたついでにここで取り上げようかというわけで、ただし画質については今更言うまでもなく、90年代に「特別編」として再公開されたときキレイにリストアされた原版なので、そこに目を見張るものは特になく、また都度都度ルーカスのやりたい放題に、あるいは一部ファンにとっては改悪とされているCGの追加シーンも特にこれといってなく、ちょっした合成のうまくなかったところなどのカラーリングを調整したのかなあ、くらい、手を加えたのはその程度かと思われる。

この旧3部作だけでもDISC 3 枚分にも及ぶ特典映像もまったく手つかず、観ていないので、そこについてもふれられない。
なので、久しぶりに旧3部作を観た感想を簡潔に。

「スターウォーズ エピソード4 / 新たなる希望」は、もはやクラシックという趣き、これを悪く表現すると「古くさい」。カット割りや演出、フィルムの感じなど、どこをどうと具体的に指摘できないけれど、全体を覆う "70年代の映画感" を今回は特に感じましたね。
それでもこの映画がいまも多くの人に愛される所以は、あまりにもベーシックな勧善懲悪の冒険活劇である点と、これは前々から指摘している、これ以上足す必要がないくらいシンプルであるがゆえのベストなキャラクター造形にこの映画は尽きるんだと思う。
私説、スターウォーズとは「男のディズニーランド」である。
ダース・ベイダーを筆頭に、ストーム・トルーパー、R2-D2、C-3PO、今作で登場する多くのキャラクターの独創性は、以降のシリーズで次々と投入される新キャラクターの追従を一切許さない。唯一肩を並べるのは、次作のヨーダくらい。
とにかく終始これはキャラクターを愉しむ映画であるのだが、それでもデス・スターに突入するルークを後押しする「May the Force be with you」には、少しく自分の青春時代がプレイバックして、ついつい胸が熱くなるのだった。

「スターウォーズ エピソード5 /帝国の逆襲」は、一貫して捨てるところなしの、傑作でしたね、やっぱり。
公開当時は、なんじゃこの中途半端な終わり方は!と批判的な論調が多かったように記憶していますが、これも具体的に指摘できないけれど、フィルムの色調、演出、カット割り...映画のすべてが今でも十分に通用する創りになっていると思う。
ところで、後年初めて観る人にエピソード1から順に観られてしまうシリーズ構成にしたルーカスの愚挙のあおりを食らうのは実にこの「帝国の逆襲」で、たっぷり間をつくってルークに親子を名乗るベイダーの衝撃や、ダゴバ星に偉大なジェダイ騎士ヨーダを捜しにきたルークの前に現れた奇妙な小人の老人こそがその人 ( ? ) だったという驚きなど、エピソード1から観てしまうと、なんの効果もなく、フックにもなりゃしないのだ。ベイダーもヨーダも、もったいつけた陳腐なタメの演技になってしまうだろう。
新3部作から順番に観てしまった人の、この作品の評価を是非訊いてみたいものだ。

それにしてもヨーダに尽きるね、この映画は。その年のアカデミー助演男優賞でもよかったんじゃねーの、ってくらいすべてが感動的でした、いまでも十分。マペットだなんて思えないくらい、表現が豊か。むしろ比較対象としての、新3部作CG化ヨーダが今あるからこそ余計に今回そう感じられたのかも。CGヨーダ必要悪説。

「スターウォーズ エピソード6 /ジェダイの帰還」は、もうこれまでクドいくらい批判してきたので、クマのぬいぐるみダメダメキャラ、イウォークについてはもうふれない。
それを抜きにしても、もう映画のはじめっからの中だるみがひどく、今回、何度も視聴挫折の末、映画を観終わるまでに数日を要してしまった。あれほどの傑作のつづきなのに、なにがそれほどまでダメなのか。
まずは、前作エンディングから、ジャバ・ザ・ハットのところへ冷凍保存のまま連行されたハン・ソロ救出までに一体どれくらいの日数がかかっている計算なのかがよくわからないのだ。
なんだか助け出すのに相当苦労している感じで映画ははじまるのだが、だからって、R2と3POがのこのこ乗り込み、つづいてレイアが変装して潜り込み、しまいにゃ相当修行をつんだ感たっぷりに大将然とルークまで来るのはいいが、あわやランコアに喰われてしまう寸前の苦境をしいられるというダメっぷり、ランドも手下として秘かに潜入している程度でなす術なしって、一体どれだけ無能集団なんだお前ら、と思わずにいられない導入部にいきなりイライラだ。
本線たる帝国軍との攻防そっちのけに、延々この「みんなして仲良く助けましょう」の救出劇に30分強も割く始末。デス・スターが完成間近つー非常事態なんだから、救出にいったランドとチューバッカだけでさっさと10分くらいで片付けろよ!と言いたい。
んでようやく本線が走り出したと思ったら、今度はぬいぐるみ劇場がはじまってしまうので、ホント観るに堪えない作品だった。ハン・ソロが一度もミレニアム・ファルコンに乗らないし、まったく「どうしたんだこの映画は?」ということばっかり。
しまいにゃ、さすがにこれは改悪としか言いようがない、アレック・ギネスのオビ=ワンとヨーダの隣りに、もともとダース・ベイダーの素顔を演じていたセバスチャン・ショウを消して、なぜか一人だけ若き日のアナキン、ヘイデン・クリステンセンが合成されるという違和感。しかもそれが晴れやかな笑顔にはとても見えない、なにかを含んだゆがんだ感じの笑顔、ってどんな演出してるんだよ。ルーカスは。
最後のイウォークとの乱痴気騒ぎもエピソード4ラストの劣化版で、ストーム・トルーパーのヘルメットをたたくところなんぞ、勝てばなんでもありかい!という嫌な感じを残し、すべてが最悪の完結篇だったわけだけど、エピソード4からするとずいぶんと老けてしまったルークの顔を見るにつれ、これで愉しかったシリーズが終るのかという寂寥感も少なからずあったりした。

まあなんだかんだいっていまでも世界中の映画ファンから愛されている「スターウォーズ」はもはや映画の出来うんぬんを越えた価値を提供しているコンテンツなんだと言えるわけだけど、それでも冷静に映画として評価すると ※星5つが満点

「スターウォーズ エピソード4 / 新たなる希望」★★★ 星3.5
「スターウォーズ エピソード5 /帝国の逆襲」★★★★ 星4
「スターウォーズ エピソード6 /ジェダイの帰還」★★ 星2.5

でしたね、私の評価は。

と、今日は「スターウォーズ」旧3部作の感想でした、っていったいいつのブログなんだ!

by wtaiken | 2014-07-13 00:57

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