カスタマイズ計画 01 HOTTOYS Selina Kyle CUSTOM
2014年 04月 23日
好評価の方は、言わずと知れたホットトイズ製マスプロダクトにおけるハイクオリティーへの絶賛であったが、対する不評価の方は、「ゴーグルが壊れやすい」というクレームじみた書き込み、さらには焦らされて高まった期待分の落差が激しかったからか、「マスクを外した顔がアン・ハサウェイに似ても似つかない」という意見が圧倒的だった。
発売されてから約1年が経とうとしている今更だけど、改めてホットトイズ製セリーナ・カイル=キャットウーマンフィギュアを検証しつつ、如何にして私は、私にとって納得のセリーナ・カイル=キャットウーマンフィギュアにカスタマイズしていったかの、今回はそのドキュメントである。
なおキャットウーマンカスタマイズについては3回、他のキャラクターについてのカスタマイズについては1回の全4回シリーズのつもりである。
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さて、はじめに詳らかにしておきたいのは、ホットトイズ製セリーナ・カイル=キャットウーマンフィギュアについての、私自身の感想だ。
まず「壊れやすいゴーグル」については、ゴーグルの上げ下げが可能な可動性を担保しつつの 1 / 6 というサイズであれば、ご覧の通り ↓ 各パーツは繊細なつくりなのは当然であり、よって装脱着時慎重に扱うのは当たり前のこと、それでも壊してしまった人は、その人が単にガサツなだけなんだと思う。
装脱着時には破損しなかったが、私の場合は飾り棚から落下させてゴーグル部分がポッキリ折れてしまった。瞬間接着剤でどうにか修復しているが、いつ何時また折れてしまうかもしれない、そんな危機管理的にゴーグルをひとつヤフオクで購入しスペアを確保している。いまのところ使用には至っていないが。
というわけでゴーグルは問題なし。
では「似ていない」と不評の顔の造形についてはどうか。
ご覧の通りで、もちろん捉え方は千差万別とはいうものの、あまた凡百のフィギュアに比べれば、文句なくこの顔は「アン・ハサウェイ」以外のなにものでもないだろうと思う。いやむしろこれはかなり上々の出来だよ。
しかしだ、「似ていない」と評した人たちの評価もわからないでもない。というのはこのフィギュア全体の印象が、あまりにも本物のそれとかけ離れていたからだ。
こちらをご覧いただきたい。これがホットトイズ製フィギュア、セリーナ・カイル=キャットウーマンの全身画像である。
対して本物のスチルがこれだ。
いやいやいや、本物とフィギュア、そりゃ違うでしょ。と言われればそれまでなのだが、しかしこれまでホットトイズ製フィギュアのハイエンドなつくりを知っているものからすると、やはりなんとも残念な出来だとしか言いようがなく、ちょっと縦並びで比較しずらいとは思うが、フィギュアの方は本物に比べ、手と首が短い。この傾向はこれまでのホットトイズフィギュアにはたびたび見られたもので、だから私はジョーカーおよびトゥーフェイスの顔パーツは、首のジョイントに深く差し込まず、猪首に見えないようチョコンと落ちない程度に乗せて飾っているくらいだ。
それはさておき、
カラダにフィットしたボディスーツ姿は、体躯の差が如実にラインに出てくる。この全身の貧弱な感じというか、アン・ハサウェイのもっちり感があまりにも損なわれているちょっと残念なスタイルが、顔の造形もひっくるめて「似ていない」と最終評価を下してしまったのではないか、とも思うのである。
それでもここまで出来のよいフィギュアもそうはなく、もちろんアン・ハサウェイ版キャットウーマンフィギュアとしては、まず間違いなく最高傑作であろう。
それでも文句のあるやつは、ここまでいい素材を提供してくれたのだから、自分でなんとかしろ、である。
で、
私はなんとかしようと思った。やっぱりスタイルが不細工なキャットウーマンはいやだもの。
というわけで、私のホットトイズ製セリーナ・カイル=キャットウーマンフィギュアの評価はこうだ。
「実になんともカスタマイズし甲斐のあるフィギュアだ。」
さてカスタマイズにとりかかろう。幸いにもボディスーツが伸縮性のあるラバー製だったので、かなり改造が可能だ。
大きくポイントは3つ。上述と重なるが
1. 首を長くする
2. 手を長くする
3. 全身の、痩身感をなくす。つまり胸部、腰部、さらに太もも辺りの肉感を増す
ということで、結局全身に及ぶ大改造となった。素体は硬質なビニール製のところと、柔らかい樹脂製のところとがあったが、一律パテで肉盛りをし、スポンジ製のやすりで削った。繊細に造形せずとも最終的にはボディスーツを着せておかしくない程度の創り込みにとどめた。
ちなみにこれが改造途中の素体にパテを盛りつけたものだ。肌色パテがもはや品切れで、グレー色のものしかなかったが、こうして盛りつけ部分が明確になったので、ブログアップには最適であったようだ。
上腕部と前腕部2ヶ所を切断し腕の長さを調整、芯に太めの針金を通しパテで整形した。
※ このあともう少し長くしている
ちなみにもともとはボディスーツに肩パットのようなものも張られていたがそれはとってしまい、さらに女性キャラへの配慮か、裸の素体に白い肌着のようなものが着せられていたが、それも邪魔なので外している。
また可動するジョイント部分 (たとえば肘や膝、そして足の付け根など) にはこのように ↓ 返な凹みが出来てしまうので、
上の改造途中画像では処理していないが、そこにスポンジをかませ、窪みの出来ないようにした。
ここをパテなどで埋めてきっちり造形してしまうとアクションフィギュアでなくなってしまうという本末転倒を避けた、というよりは、手足が曲がらないことには服が着せられなくなるからで、可動領域はしっかり確保しなければならないのが、改造する場合の注意点ひとつであろう。
パテを盛っては削り、ボティスーツを着せては検証しラインを確認してはまた脱がせ、ラバーの伸縮ギリギリのところまで造形し直す行程を幾度か繰り返したので、ボディスーツは都合3着も反古にしてしまった。つまり今のところボディスーツは4代目なのである。ゴーグルといい、ヤフオクでパーツ売りをしていたバイヤーさんにはホントお世話になりましたよ。
そんなわけで、実制作日数、期間はさだかではない、第何次かに渡って改造し今に至る、カスタマイズのセリーナ・カイル=キャットウーマンがこちら。
顔については、ピンクのチークを足し、口紅もより赤を強調。ちょっと三白眼すぎる黒目を1ラインほど大きくしています。
首の長さについては、結局可動性を残しながら長くすることは叶わず、(私はあまりポージングをさせて飾るのがキライなので) ここは真正面を見据えたところでパテで埋めて固定、顔や鎖骨あたりの色とあまり差のない色味で彩色しています。
顔と首の接着部分が少し細くなり過ぎている点が造形的には残念なのだが、そこまでパテ部分を拡張したくなかったので致し方なく。
またマスクの金色のラメ部分も、ちょっとわかりずらいかもしれないけど、足しています。
ベルトは腰部ボリュームアップのために長さが足りなくなり、もう一本購入して見えないうしろで調節。
ボディスーツのチャックが、こちらもボリョームアップのおかげで上まで閉まらなくなっちゃったのは愛嬌ということで。
また製品版では髪が長過ぎるので
改めてスチルにおさめてみると、腰部のドッシリ感が本物よりつきすぎたキライがありますが、まあそのために再度脱がせて削るほどでもないかな。
本物とカスタマイズフィギュアをスチルで比較して特に気になったのはマスクの目の部分の切り込みでしたが、それはすでにデザインカッターで処理しました。それを改めてスチルに収めることもない微妙な差なので、これはマスクは切り込む前のものです。
てなことで最後はベストショットを。
映画本編では、こんな見上げるようなカメラポジションはなかったので。
では次回「バットマン ビギンズ」第三のヴィランをカスタマイズ!でお会いしましょう。
by wtaiken | 2014-04-23 16:56 | カスタマイズ計画