予言   

↓ いま、仕事から帰ってきた午後の3時すぎ。帰ってすぐにパソコン立ち上げて、速攻アカデミー賞の結果を見たわけで。

てなわけで、大本命と言われた「ゼロ・グラビティ」を最優秀作品賞から外すか否か、さらに作品賞を逃すアルフォンソ・キュアロンに監督賞が来るかどうかが主要6部門オスカー予想の肝だったわけですが、見っ事すべて当てましたね。

本文でも書いた通り、「それでも夜は明ける」は未見作ではありましたが、その対抗馬であり本命視されていた「ゼロ・グラビティ」が、他を圧する作品であったとは到底思えなかったことが、まだ観ぬ奴隷制度を扱ったヒューマンドラマに一票投じた理由であったわけ。

これも以前書いたことだけど、アルフォンソ・キュアロンは新作を期待できる監督のひとりであるし、前作「トゥモロー・ワールド」は傑作であると思っているけれど、今作「ゼロ・グラビティ」は思いのほか描写が浅く、観やすいエンターティメントになってしまったところが、ひねくれものの個人的には不満だった。
なんいってもコンセプトがあまりにも明白。あたら人生を無為に過ごしている、投げやりな一人の女性が、想像を絶する困難の中で生きる意味を見いだすという、つまり「生まれかわり」が作品のテーマで、たとえば宇宙ステーションにたどり着いたサンドラ・ブロックが安堵してカラダも丸めて寝てしまうところは母親のお腹の中に眠る胎児そのものだし、そもそも原題の「グラビティ」=重力とは、ラスト生還して湖から這い上がって立ち上がる、まさに羊水の中から生まれいでた時から体感する重力のことであるわけで、こうしたわかりやすい比喩がそこかしこに散りばめられていて、だからってそのわかりやすさのなにが悪いんだというご意見もあろうけれど、もっと深読みさせてくれる映画が私は単純に好きなだけのこと。

映画開始から13分カットを割らないというチャレンジングな演出や、上述の宇宙スターションにたどり着いたサンドラ・ブロックが宇宙服を脱ぎ捨てるシーンで、よもやのカルト映画「バーバレラ」オマージュに出逢えるとは思いもしなかったこだわりだとか、相変わらず監督としては唸るところも多々な映画でしたが。

もちろんWOWOWに加入していないし、仕事だったし、ライブで授賞式は見られていないけれど、レッドカーペットのアン・ハサウェイ。どうした、もう髪は伸ばさんのか? な、そしておばちゃん化して見えてしまうスチルをおまけにどうぞ。
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オスカーデイですな。

毎年ショーのオープニングは、その年の最優秀作品賞ノミニーをフューチャーした映像が創られるわけですが、来年のオープニングには、この夏公開の「GODZILLA」から、主役たるゴジラがレッドカーペットを歩くってなオチつきの映像だろうと予言しよう。もちろんローランド・エメリッヒな失敗作であったり、大コケしたら、もちろんそんな予言は反古だけど。

さてメディアのあちこちでオスカー予想がたてられているし、なにも私がここで発表ギリギリに予想することもないし、作品賞3巴と言われているこのうちの一作「それでも夜は明ける」を観ていないし、とてもまともに予想できないところを、できないからこそあえてしてみるとー

最優秀作品賞 「それでも夜は明ける」
最優秀監督賞 アルフォンソ・キュアロン 
最近のアカデミー賞の傾向として、拮抗する作品は痛み分けるという結果になるだろうと。だから作品賞と監督賞は同一作品ではないはず。
最優秀男優賞 マシュー・マコノヒー 予告篇だけで判断しても、これはテッパンでしょうね。
最優秀助演男優賞 ジャレッド・レトー 予告篇だけで判断しても、これはテッパンでしょうね。
最優秀女優賞 ケイト・ブランシェット
まあウッディ・アレンのスキャンダルはスキャンダルとして、これもテッパンでしょう。
最優秀助演女優賞 ルピタ・ニョンゴ そういうことらしいです。どうやら。

ということで、3巴と言われ、上記主要6部門すべてにノミネートされていた「アメリカン・ハッスル」はここでは無冠と予想。ほかに部門ではいくつか穫るかもしれないけれど。ジェニファー・ローレンスは前回記事にも書いた通り、圧倒的カリスマ性をこの作品でも誇っているけれど、まあ若いことだし先もあるし、2年連続はちょっとなあーと、アカデミー会員に歯止めがかかるだろうと。

さてこれから仕事なので、戻ってきてのお愉しみ、このまあ大概の人はこう予想したかもしれない結果はのちほど。

by wtaiken | 2014-03-03 09:55

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