忙しくて寝ていないのに「白雪姫と鏡の女王」を観てきた
2012年 09月 25日
MAが、"MA" とは映像にナレーションや音楽、SEを充てることで、映画で言うところのダビング作業なのだか、それが思いのほか早く終了し、お昼過ぎに新富町のスタジオをリリースされ、昼食後銀座をぶらぶら徘徊中「あっ。」と思いついてケータイで検索したら、ちょうどジャストのタイミングで「白雪姫と鏡の女王」の上映時間。
窓口でリサーブした座席に座るまではそうでもなかったものが、相変わらず延々と終わりの見えない予告篇地獄にまず眠気を誘われ、ようやくにしてはじまった映画も序盤はちょっと停滞気味。特にあまり好きではないジュリア・ロバーツのところがことさら退屈なうえ、クライマックスに登場する「赤頭巾かよ!」てな謎のCGキャラ造形がこれまた最悪で、ときおり堪えかねてうつらうつらとしたものの、終わってみれば全体的には及第点の出来だったかと。
特に、やっぱり見所はリリー・コリンズ。ご尊父が、音楽は聴かないが名前だけは知っている フィル・コリンズ。あんな、といってはとっても失礼だが、鳶から鷹が生まれたような、いまや絶滅種といって過言ではない正統派美少女だ。ってもう23歳なのだが。
思えばブルック・シルーズの昔から? いや、ジェニファー・コネリー? ゴクミ? 石原真理子? いずれにせよなぜかいつの時代も美少女とは「まゆ毛は太いもの」と決まっているのだ。
そんな歴代まゆ太美少女らを駆逐するかのような、これでもか!というほどの極太まゆ毛を惜しげもなく晒し、最後の最後に歌って踊ってみせるリリー・コリンズの姿は、男子ならズッキュン!と心打たれて当たり前のキュートさで、あまりネタバレすると楽しさが削がれるはずなので詳しくは書かないが、音楽のフォルクローレもビッタシ、及第点と思えたのはこのエンドロールがあったればこそ。
原田知世の「時をかける少女」を彷彿とさせる正調リリー・コリンズのアイドル映画になってました。
王子を演じたアミー・ハマーは、「ソーシャル・ネットワーク」「J・エドガー」と昇り調子の、これまた正統派ハリウッド紳士をいま演じるならこの男、という格好良さ。コメディー演技も嫌みがなく、世の女性からのかなり好感度が上がるんではないでしょうか。
次作ではジョニデと共演の「ローン・レンジャー」のはず。ま、彼のスチルは特に載せないけどね。
特筆すべきもう一点は、7人の小人。ロドリゴ・ガルシアの映画「彼女を見ればわかること」でもいい味出してたダニー・ウッドバーンを筆頭に、やっばね、7人の小人はいいよ、みんな面白かった。
それにしても監督のターセム・シンだ。
「ザ・セル」「落下の王国」「インモータルズ」ときて、これで長編4作目という寡作な作家。「落下の王国」に特に顕著な、並々ならない映像美へのこだわりは好きなんだけど、果たしてこのままそこそこの映画をつくる程度に終始するのか、突如キャリアアップしてとんでもない映像作家になるのか未だに不明で、そんな先が読めないところがまた次作になにかを期待させる監督だ。
そしていまYahoo!映画のターセム・シンの人物紹介欄を見て「白雪姫と鏡の女王」のエンディングに納得。あ、インドの人だったんですね。
「白雪姫...」はリリー・コリンズを末代の語りぐさに観るとして、他の作品では、撮影に数年かけたという、半端なく、容赦ない、圧倒的映像美の「落下の王国」がオススメです。
さて、「リリー・コリンズ」で思い出したのは、スタンリー・キューブリックが起用した最後のロリータ女優リリー・ソビエスキー。でも "リーリー" の表記が正しい。最近お見かけしないが、どうなんでしょうか。
いまやもっと大人な女優さんになっているはず。
キューブリックといえども「アイズ・ワイド・ショット」だけはとても評価できないが、リーリー・ソビエスキーが出てくる貸衣装屋のシーンだけは、久しぶりに観たくなった。
by wtaiken | 2012-09-25 04:57