春の大更新   

麒麟です。・・・。

さて、明日何が起こるかわからないのが人生というものだ。
これを言い替えると、私が『ニュース23』のキャスターを勤めないとも限らないのが人生というものだ、と、こうなるのだから驚きだ。


久しぶりに更新をはじめたと思いきや、またぞろ何をおかしなことを言い出したんだこの男はと、多くの見識者たちは思うことだろう。いや普通に普通の人が思うだろう。
しかしだ、私は某大物プロデューサーに「会田さんの『ニュース23』なら見てもいい」と言われたことがあるのだ。「会田さんの多事争論は興味津々だ」とまで。

何を根拠に彼はそんなことを言うのか、真意はわからないし、あるいはこれをして小馬鹿にした発言ととる向きもあろうかと思う。
ところが私は言葉の上っ面しか汲み取らないことにしている。言葉の裏に潜む底意なんぞ知ったことか。
つまり私はその発言に少しばかり身を乗り出してしまったのだ。
そんな一言で、それまで100パー考えたことのなかった『ニュース23』キャスター就任の道を、「どれ」とばかりに重い腰を上げてしまうというのだから、ホント自分が不思議でならない。春だからか?

思えば、週5日間11時からのレギュラーの座を守り続ける筑紫哲也の精神的肉体的疲労の度は、すでにピークに達しているに違いない。
こんなことでは、いつ何時、筑紫が目の下のクマをあからさまにし、「ほとほと疲れました」と番組中に降板を申し立てないとも限らないわけだ。
おかげで近頃は、「いつ切り出すんだ、筑紫! 今日か今日なのか」とテレビの前でハラハラのし通しでニュースなんかまともに見ちゃいられない有様。まったくなにがあったんだろうか、昨日は・・・。

いや、待てよ。筑紫を気づかうならばだ。
ここで同じく週5日のレギュラーをこなすタモリの疲労も考え、『笑っていいとも!』司会就任をも視野に入れなければならないだろう。
さらにタモリを気づかうなら、みのはどうするか。草野さんはどうだろう。いや、大塚さんの方が心配だぞ。と、これでは芋蔓式に次から次へとレギュラー話が持ち上がってしまい、到底私一人で切り盛る自信がない。私は名物旅館の名物女将ではない。
いやいやいや。なにも私は「日々レギュラー番組を抱えるお歴々の疲労をおもんばかって、ひょっこりピンチヒッターで飛び出しちゃいます」なのではなかった。まず当面は『ニュース23』をどうするのかなのだ。

今日もきっと何食わぬ顔をして、坂本龍一の曲に乗り『ニュース23』ははじまるだろう。筑紫の気も知らないで。だがしかしその日は来る。きっと来るのだ、筑紫降板のその日が。そしてついに私の出番が来てしまう。

1.一着も持っていないスーツをどうするか? →買やいい。
2.原稿を立て板に水のごとくスラスラと噛むことなく読めるのか?
  →噛んでも気にしない感じで。
3.筑紫の残像効果を狙い、違和感のないよう少し白髪に染めてみるか?
  →染めない方向で。
と、かようにあれこれ不安の種は尽きることはないが、実は私の一番の心配事は今挙げたそこにはない。

きっと番組では多くのゲストを招き、私はいくつもの対談をこなさなければならないだろう。そこだ。今の私にはそこが大いに心配なのだ。

私はこれから名だたる論客たちと対峙していかなければなるまい。
「実はこう見えて、結構人見知りなんです私」などと言ってはいられない。次から次へと論客たちは、鋭い言葉の切っ先を私めがけて容赦なく差し向けてくるのだ。
立花隆は宇宙論をかましてくる。呉智英とはマンガ論を戦わさなければならない。河合隼雄とは教育論を、安藤忠雄とは建築論を、小澤征爾と髪型論、篠山紀信と髪型論、フランソワーズ・モレシャンとフランス論、会田誠と会田論、たまの息抜きに安藤美姫とフィギュア論をと、それはもう大変なことになってくるのだ。
そんな時、今の私のつたない合いの手では、相手の困惑ぶりは火を見るより明らかだ。
なにを言ってみても「なるほど」としか返せないようでは、どうやら対談にならないらしい。(2005-01-22「なるほど。」参照)
それどころか帰っちゃうかもしんない。いや、視聴者も黙っちゃいまい。
「今度のキャスターの、人の話を受け流す“なるほど”という合いの手連発が気になります。本当に人の話を聞いているんでしょうか(謎)」の大合唱だ。就任早々のキャスター交代騒動なのか、オレは。
んー、こりゃ、困ったぞー。

まったく迂闊であった、日々を安閑と過ごすにもほどがあった。私にはやらなければならないことがあったのだった・・・。

こうして私の対談修行の旅が、この春からはじまることになった。
対談の様子をつぶさに余すところなく伝えるための秋葉原で購入した最新小型録音機器通称「アキバ2号」を携えて、私は行くのだ。
それはきっと茨の道だろうよ。いや、これこそが俗に言う「ちくしの道」だ。こけつまろびつもう大騒ぎさ。しかしこの「ちくしの道」を踏み越えてこそ、明日の「ニュース23」の門戸は開かれる!

てなことで、次回より短期集中連載「ちくしの道」スタート!
いくつ飛び出すのか、検証会田のなるほど度数! 果たして私は人の話を聞いているのか! 第一回目の対談相手は誰だ!!
次号「ちくしの道」Vol.1を、しばし待たれよ!


<きのう、きょうの出来事>

去年頻々と行き来した仕事先名古屋へは、新幹線でおおよそ1時間半かかる。
私はたいがい東京駅の発車とほぼ同時に昏々と寝てしまうと、その体勢に不快感が漂い目が覚める頃、ちょうど名古屋到着という感じだった。だからあっという間。帰りも同じくいい感じで東京駅に着いている。

眠るつもりだった。もう泥のようにな。
ところが4時間もかかる広島への車中、私はすっかり寝そびれてしまったのだ。
眠らない新幹線の4時間はホント長かった。
墜ちる夕日が、こっちの窓の真横に来たり、向かいの窓の手前から差し込んだりと、別にまっすぐのびてるとは思っちゃいないが、新幹線のレールってこんなにも蛇行してるのね、と改めて思ったりした。
眠れぬまま、窓外の景色にたまに目をやり、私は本を読むことにした。
ま、いづれ睡魔が襲ってくるんだろうよ、のつもりで。

なごやーー、なごやー。おう、本を読んでてもあっという間じゃないか、名古屋。
やっぱり眠れず本を読む。こんな時に限って襲ってこないのね、睡魔のいくじなし。
きょーとー、きょーとー。襲って来ず、さらに本を読む。読み進む。
しんおおさかぁー。・・・読む。
おかやまー。読むね。読む読む。
ひろしまぁー、ひろしまぁー。バタム(本を閉じる音)、着いちまったよぉ。着いちまつたじゃないかぁー、睡魔よぉぉぉ。

いつもは決まって移動中、新幹線だろうと飛行機だろうと、スコンと寝てしまうオネムな私が昨日に限ってなぜ眠れなかったのだろうか!!

それは「きょうの珍プレー画コンテ」で!!
って画像アップしようと思ったけど、うまくいかずに明日に延期だ、延期!

今日は、これまでっ!!(ゆーとぴあ)

by wtaiken | 2005-04-01 01:36

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