カテゴリ:音楽の時間( 4 )   

35年目は、果たして節目といえるか?!   

今日は朝から突然のニュースに、30年近くもフォローしてきたバンドのことでもあるので、いきおい2回目の更新です。

ヘビーローテーションなんて言葉も知らない頃から新譜が出ればA面B面とっかえひっかえすり切れるほど聴き、そりゃまあここ数年は曲名はおろかアルバムタイトルすらおぼつかない、正直惰性に近い感じでCDを買い、数回"ながら視聴"でかけてはラックに即横積み扱いではあったけれど、バンドの絶頂期がちょうど私の大学時代、演劇活動に情熱的だった時期と重なっていて、最近のことはさておき、振り返れば自分の人生のいたるところに浅からぬ関わりがあって、やっぱり"バンド活動無期限停止"だなんて改めて宣言されると、感慨深いものがあるよ、ムーンライダーズ。

これまでも長い時は5年間の活動停止空白期間があったりしたけど、こうしてオフィシャルに、しかも無期限というカタチでの「活動停止」宣言は、おそらくほぼ"バンド解散"に近い意味合いだと思う。

夏フェスでは唯一会場が冷めていただの、無理矢理若さへ迎合しようとする演奏スタイルが気に喰わないだの、さんざん毒づいてばかりのこのところだったけれど、朝一番のYahoo!ニュースでこれを知って、やりすごしてのちのち後悔するよりは、ええい買ってまえ!とラストライヴのチケットとっちまいましたよ。

最近めっきり涙もろくなっていることだし、アンコールあたりで懐かしいナンバー演られた日にゃ落涙必至だよ、もう。新譜タイトル「Ciao!」だって...。
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by wtaiken | 2011-11-11 10:36 | 音楽の時間 | Comments(2)

久々! 音楽の時間特別企画 Vol.3 『結成29周年!! 孤高のバンド ムーンライダーズ座談会』   

駆け足で振り返る、自身の音楽遍歴。

高1でビートルズに出逢った私は(ここまでが前回)、高3の夏に大滝詠一にハマるんです。

c0018492_16453831.jpgそれがこれ。今や名盤中の名盤、『ロング・バケーション』。日本のCD第一号です。

80年代は、はっぴいえんどの逆襲と言われてて、「ルビーの指輪」あたりを契機に、まず作詞家の松本隆が歌謡界を席巻。
つづいて細野晴臣がYMOで一大ムーブメント。で、第三の男と目された大滝詠一が80年に発表したのがこの『ロング・バケーション』です。
期待にたがわず、これが大当たり。
ラジオでかかりまくってたんだよね、で、まんまとメディアに乗せられるカタチで私はファンになるんですが、その寿命は短かった・・・。


というのも、大学に入学する私に待っていたのは、アンダーグラウンドの誘いで、それは演劇に限らず、周囲のすべてを日影一色にしてしまうほど影響を受けたのでした。
演劇部に入部するいきさつは以前このブログで記しましたが、その部室で連日流され、私の眠るアングラ心の扉を開いたのが、ズバリこのムーンライダーズ『カメラ=万年筆』だったのです。

c0018492_1646588.jpgどうよ、この落差!
『ロンバケ』はジャケット見ても 夏! まぶしいーっ! ビーチ! ひゃっほー!の“日向の音楽”(ま、秋や冬の悲しい曲もあったりするんですが)とすると、
一転ムーンライダーズときたら、わけのわかんないおばさんの写真! このおばさん、メンバーじゃないし! 銃口! モノクロ! のまさしく“日影の音楽”だ。
その暗がりが、当時は心地よかった。岩の下に潜むだんご虫のように、丸まっていたかったんでしょうね。

このムーンライダーズ自体からの影響もさることながら、それを取り巻くカルチャー全般に刺激を受け続けた20代の私。
まさに当時はカリスマだったムーンライダーズ、それを教えてくれたのは大学の演劇部、その諸先輩方でした。

多大な影響を与えてくれたムーンライダーズだからこそ、今回は80年発表のアルバム『カメラ=万年筆』を中心に、おそらく毎日のように部室でこれをかけまくっていたであろう張本人、2年先輩のお二方を招き、当時を振り返りながらムーンライダーズの魅力に迫ろうという特別座談会。

メンバーは、謎の職業“現場彫刻師”の肩書きを持つ福地亘氏(以下、)と、
あるときは園児帽を被らせたらピカいちの役者、またあるときは小粋な喫茶店マスター、しかしてその実体は心理アナリストの亜門虹彦氏(以下、)と、
そしてこの私(以下、)。
初夏のちょっと汗ばみだした頃、亜門さんのお店『喫茶昭和』にて。


c0018492_042226.jpg 部室にあった『カメラ=万年筆』のカセットって、
  あれ亜門さんのでしょ。
 そーそー。
 カセットのレーベルが亜門さんの字だった。
 憶えてる憶えてる。

(当時のカセットレーベルを忠実に再現していただきました。これぞ亜門文字!→)

 すると、亜門さんがレンタルしてダビングした『カメラ=万年筆』のテープを部室に持ち込
  んだのが、そもそものはじまり?
 うん。そーだよね。
 んで毎日かけてたんだ。
 それはね、つまりボクが一番部室にいたってことなのよ。
 (笑)ああ、なるほど。なるほど。(←出た。でもちゃんと聞いてるよ)
 他に行くとこないからさ、ひとり部室に行っては流し、みんなが来ても流し、みたいなこと
  なわけよ。
 なんか、こ、孤独っすねー!
 (ポーズ)ああそうさ、おいら孤...
 福地さんは? 福地さんはどういう経緯で、ムーンライダーズ?
 うーん...。
 それまではどんな音楽聴いてたんですか、福地さん。
 私はですね、もっぱらクラシックね。バッハとかさ。受験中はそればっか。
 それって、
 (合わせて)福地さんらしーっ!
 α波だ、α波出てたんだ。
 ポップスといわれるものを聴きだしたのは大学入って、んで演劇部に入ってから。ヴァンゲ
  リスとかね。
 クラシックからヴァンゲリスの流れって、わからなくはないんだけど、そーゆー耳でムーン
  ライダーズってどんな感じ?
 だから亜門くんがかけてるの聴いて、なんだこれ、うわっ、変なメロディーってのがまず
  あって。
 第一印象はよくなかったと。確かに変だもんね、異常な感じだよ、これは特に。
 聴きこんでいくと徐々によくなってくるんだよね、ムーンライダーズは全般的に。
 で、次第にはまっていったってわけですか。
 それがさ、一時期亜門くん、部に来ないときがあってさー。憶えてる?
 うんうん。あったあった。
 そんときに、亜門くんが残してったテープ聴いてたのよ。ひとり部室で。あー、今日も亜門
  くん来ないなーって。
 つわーっはっはっは(笑)
 亜門さんへ思いを馳せながら!?
 そうやってるうちにはまっちゃったのかもしんない。
 センチメンタルなきっかけっすねー。
 流してりゃそのうちフラフラと来るんじゃねーか、みたいな。
 で、部活サボってなにやってたの、亜門さんは。
 ほら、サーファーだからさボク。湘南の波のうえだったんじゃないかな。
 へー、そうなんだ。
 あれっ、ツッコんでってば!


 まあそうやって、お二人が競うようにカセットかけてくれたおかげで、まんまとムーンライ
  ダーズに洗脳されちゃったわけなんだけど。
  で、今日は久しぶりにレコード持ち出してきました。(ビニール袋からレコードを取り出す)
 おおーっ。懐かしいねー。
 これってどう? オレなんか十分今でもジャケ買いアリなデザインだと思うんだけど。
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 いやいやいや、でもこれはちょっと。(→レコードの帯を指し)
  “珍らしいほどクレージー・ラブ。”ってのはどうなの?
 でもこれ糸井重里のコピーですよ。
 ええーっ、そーなんだ?!


レコードプレイヤーはないので、CD盤をかけてみる。
一曲目「彼女について知っている二、三の事柄」がかかる。



 このアルバム全部曲のタイトル、映画からの引用なんだよね。
 いきなりアイ・ラヴ・ユーの連呼! もうそんなに繰り返さなくってもいい
  のにってくらい。でもそれが切迫感を煽ってるよね。
 今回座談会やるんで改めて聴いてみたんだけど、このアルバムってシンプル
  な音色なんですよ、ギターにベースにドラムの音がたってる。まあサンプリ
  ングによる掃除機の音とかの遊びの要素も混じってるけど、ライダーズにし
  ては、実にシンプルなアレンジだと思った。
 でもリズムがひねくれてるよ。ノリノリで踊ったら足下すくわれるみたいな
  さ。
 これね、はじめてオレ部室で聴いたとき、売れなかったグループサウンズの音楽だと思った
  んですよ。
 グループサウンズ?
 あ、オレなんとなくわかる。
 アングラなグループサウンズ。つまり80年の当時でも、ちょっと古い感じがしたんですよ、
  古くさい変な音楽かかってるなーって。
 今聴くと聴きやすいのは、CDだからかな。歌詞もちゃんと聞こえるしね。

曲は3曲目の「無防備都市」へ。

 あ、そーだ、福地さん『東北の神武たち』(大学時代の福地さんによる台本)の中で、この
  「無防備都市」の歌詞そのままセリフにして入れてたでしょ。
 よく憶えてんな、そんなことっ。
 マジで?
 マジで。
 恥ずかしいんだから、やめろよ。
 唐突にね、いきなり♪傷つけないマイ・ライフ〜って入ってくるからさ、そのセリフあてが
  われた合澤(会田と同期演劇部員)どういう感情で言っていいのかわかんないって悩んでま
  したよ! 困ってましたよ、福地さんっ。
 恥ずかしーなー、もう。若気の至りなんだからさー、まったく...(ブツブツ)。


しばし聴き入る間。


 んー。やっぱわかる奴だけわかればいい音楽って感じがするよね。
 自分たちの音楽を“暗号”って称したり。
 これ、大ヒット狙ってる音楽とは到底思えないもんね。
 コアな音楽。オタクミュージックだね、ムーンライダーズは。
 これってどれくらい売れたんだろうか。
 1万枚?
 1万枚!! (笑)それはひどいんじゃないっすか?
 じゃあ2万枚。
 いい線です。
三人で びみょーっ!!
 (ケータイをちまちまいじる)レコードを買うファンが2万人。するとね、日本全国老若男女
  ひっくるめて、なんと! 7,500人に1人ですよ、ムーンライダーズファンて!!
三人 (爆笑)7,500人かぁー!
 ユーミンの売れたアルバムが200万枚だから、75人に1人が買ってるんですよ! ユーミンの
  アルバムは!!
 それは凄い!
 んで、ライダーズは、
三人 7,500人に1人!!(笑)


 7,500人に1人のファンが、ここに2人もいるって、すごいよね。
  (亜門さんと会田は大学卒業後もまめに新譜を買い続けている。福地さんは90年頃離脱)
  結局なんなんでしょうね。そうまで長きに渡ってファンであり続けさせられた魅力って。離
  れてみて、福地さんは大学時代のムーンライダーズ狂騒をなんだったって思います?
 んー。暗かった。
 ほう。
 ムーンライダーズの音楽は暗かったんだよ。そこにひかれたんだろうな。
 なるほど。(あ。また...)
 なんかね、昔の映画を観てる感じ? ちょうどヌーベルバーグの『鬼火』って映画を観て、
  はまっちゃってさ、その閉塞感に通じるものがあったな。
 自分たちが芝居で表現しようとしている方向性と、少なからず相通じる部分があったってこ
  となんでしょうかね。
 あと、孤独だったんだよ。孤独を愉しんでるところがあってね。このアルバムにはそんな雰
  囲気もあってさ、そこにシンパシーを感じたんだろうな。
 孤独ねー。
 (慌ててポーズ)ああそうさ、おいら孤...
 陽の当たる場所をあえて避けて通るみたいなところはありましたね、大学時代は。
 背中丸めてさ、それがカッコいいと思ってたんだよ。
 亜門さんは? 総括するとなんでムーンライダーズ?
 んー、なんだろうね。きっとね、シンクロしたんだと思うよ。
 シンクロ?
 つまり自分たちはいい芝居をしてるのに、誰も認めてくんないのよ。で、ムーンライダーズも
  音楽性は評価されながらも売れなかったわけでね、自分たちとスタンスが同じっていうか
  さ、メインストリームへの憧れと、だからってカッコ悪いことはしたくないっていう心理が
  ね、シンクロしたんだと思うんだよね。
 ところで今の若い人らが、このアルバム聴いたらどう思うんだろう。今通じる音とは思えな
  いなあー、やっぱ。
 いやー、最近のムーンライダーズってさ、新譜が出てもなんだか誰にもススメらんないのよ。
 あ、オレもオススメしないっすねー。めっきりススメる気が失せちゃいましたね。
 いやホント、ススメらんない!(笑)
 (笑)25年間ファンであり続けた7,500人に1人の2人が言うんだから間違いない! ムーン
  ライダーズ、誰にもオススメしません!!
 ひどいこと言うなあ。


魅力に迫るどころか、こんな結論になっちゃいました。
まあ29年間、まったく売れなかった音楽とはどういうものなのか、興味のある方はご随意に。
ちなみにオススメしない2人が、それでもオススメするとするならばこの一枚!! は、c0018492_16531842.jpg『ドント・トラスト・オーバー・サーティ』です。こりゃ傑作だ。














延々長々、それでもコンパクトにまとめちゃいましたが、バカな企画に2時間おつき合いくださった先輩に感謝。


さて、4月頭に、『ニュース23』筑紫の後釜としてキャスター就任を目指して歩み出すつもりだった「ちくしの道」、めざせ対談王!って企画があったんですけど、今回のこれ、ま、これは対談なんかじゃなくて単なる雑談程度ではありましたが、とりあえずの経験値として「ちくしの道」スタンプ1個自分に進呈だ! c0018492_1015124.jpg
これは100個集めると、ようやくキャスター就任の扉が開かれるということらしいぞお。先は長げーなー。さてさて、次は誰とどんな話をしようかな。

by wtaiken | 2005-07-04 16:55 | 音楽の時間 | Comments(0)

音楽の時間 2時間目   

縁側に腰掛け春霞の中空を見るともなく見上げては、ホクホクとまどろみの時間を過ごしている二人、一方がずずずとお茶をすすると、もう一方はぽりぽりぽりとせんべいをかじるリズムも小気味よく、これはおなじみ大将会田犬と毎度連れ添うジガジさんでございまして−

「しかしなんですな、大将」
なんだいジガジさん、ず。
「大将も気に入るってえーと一辺倒だねどーも」
なにがさ、ずず。
「近頃あ茶菓子ってえと、このセブンイレブンで買ってくる“職人がたき揚げおかき塩味”ばっかだよ。食い倒すにも程ってもんがあるよ、まったく芸がねえやなあ。他のもん出せ」
そう言いつつも2袋めに手が掛かっているではないか。
「ぽりぽりぽり」
文句を言うなら食いなさんな。
「いやまあ、確かにこりゃんまい。ぽり」
だったら黙って食えよ、ずずずずず。

「して。今日はどういったご用件で」
鈍いなあ。ホレ。
「なにがホレ?」
ホレホレ。
「裏庭を?」
ホレ、聴こえんか、バック・ミュージックがよ。
「おお、耳を澄ませば確かに聴こえる、これはポールのシャウトでげすな」
げすなって。そうじゃ、こりゃまさにビートルズですじゃ。
「ですじゃって。ビートルズ...するってえと今日は<音楽の時間>の、さては2時間目でやんすな」
やんすなって。そうでごんす。
「ごんすって」

ビートルズは、中学からの友達伊藤智一にススメられて、確か高校1年の時に聴いたのがはじめ。
「おお、あの天然パーマ同好会仲間の」
そんな同好会ねえよ。
その智一がビートルズのオリジナルアルバムBOXセット(確か12枚)を買ってさ、とにかくケンさん、いいから聴けとススメるわけ。
「ケンさん?」
オレあだ名がアイケンだったんだけど、親しいやつからは“ケンさん”って呼ばれてたのよ。
「本名のどこにもケンなんてないのにね」
まあそんなこたいいんだ。
とにかく、その天然パーマでオレをケンさん! と呼ぶ智一が、LPを小出しに一枚づつ、返しては次、返しては次って具合に貸してくれて、それをカセットに録音しては聴いていたわけ。
「カセットテープ! とんと見かけなくなりましたなあ。大事なやつはメタルテープとかに録音したりしてね」
で、その後大学生になってから自分でもLPをまとめて買ったんだけど、それも今や実家に置きっぱなしでさぁ。CDで持ってるのも「レット・イット・ビー」だけだし。
「てえーことで今回もドドっと10枚ほど、まとめて一気に大人買いってわけですかい! まったくこの浪費家め!」
いやいや今回は買わないのだ。
「およ!」
なんだよジガジさんの眼が異様に光ったね。
「来たな、このカモシカのようなあっしの脚の見せ所がっ。
よござんす。たまわりましたよ、しかと! ビートルズのLPをば実家へ取りに行ってまいりましょう! では、一週間のお待ちを! おっといけねえ、謝礼の5万円はどこだ」
勝手にたまわるな。しかもかかる日にちが延びたうえに、こないだより値上がりかよ。
「物価の変動は激しいもんでございますよ。最近野菜の高いこと。キャベツ1コが5万円ですって奥さんっ。家計のやりくりに頭が痛いわあ。さあ5万円おくれ」
なるほどそいつはますます無駄なお金は使えない。
「あれ? そっち方向?」
だもんで、今回は買わずにレンタルで済ます、と。
「ち。そう来たか。なんだいなんだい、またもやあっしの、神奈川県下で5本指に入ると謳われたこの脚力の出番なしってわけですかい」
まあ、いざ! という時までとっておいてよ、その脚力。
「なるほど、いざ横浜! というわけで」
いや別に。

−レンタルしてきた『リボルバー』をかけつつ。
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リボルバー、いいねえ。
「じゃあ訊きましょう。音楽の時間らしく、会田犬オススメのビートルズのアルバムはなに!」
まずこの『リボルバー』な。
それと『ザ・ビートルズ(ホワイトアルバム)』、『レット・イット・ビー』の3枚。これがありゃいいんじゃないの。
「サージェント・ペパー...とかアビー・ロードもありますがね」
ま、こりゃあくまで個人的にの話だから。
「そりゃそうだ」
んじゃあ、ついでにだ。
久しぶりに聴いた記念に、“ビートルズお気に入りナンバーベスト10”も発表しておこうかな。
「大将、あなたはホントにベスト10決めるの好きだねえ、なんにつけ」

第10位 オクトパス・ガーデン(リンゴ)
第9位  アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー(ジョージ)
第8位  カム・トゥゲザー(ジョン)
第7位  トゥ・オブ・アス(ポール)
第6位  トゥモロー・ネバー・ノウズ(ジョン)
第5位  タックスマン(ジョージ)
第4位  アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス(ポール)
第3位  ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン(ジョン)
第2位  アクロス・ザ・ユニバース(ジョン)
第1位  サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Reprise)(ポール)

「ジョン・レノンが4曲でポールが3曲、ジョージ2曲にリンゴが1曲だなんて、少し出来過ぎの選曲だなぁ」
いや、狙ってこうなったわけじゃないのよ。ホントに。
「そのうえ、あえて外したような、いわゆる一般的に名曲と称される曲がまるで入ってませんな」
ふむ、確かに名曲はすっかり落ちたな。
「たとえばレット・イット・ビーとかねえ」
ヘイ・ジュードとかな。
「イェスタディとか」
ストロベリー・フィールズ・フォー・エバーなんて、いいんだけど。
「それにラヴ・イズ・オーバーねえ」
おいそりゃ欧陽ひいひいだ。
「だって名曲でしょが」
いやいやいや。そりゃ名曲なんだろーがさ、
「せめて8位くらいにランクインさせたらどうなんだ」
あのさぁ、なんでまたビートルズお気に入りベスト10にさあ、欧陽ひいひいが入るんだよ。
「これだ。まったく女心のわからない人だなあ」
なんだよそれ。
「いいから四の五の言わずに入れとけ!」
だ・か・らぁ。欧陽ひいひいは関係ないだろ。今日のベスト10にはよ!
「そんなこた知ったことですか! 所詮こんなのはあんたの匙加減ひとつでどーにでもなるんだ。入れなさいよ、ベスト10に! ラヴ・イズ・オーバーをよ! あー、もうじれったい! カリカリカリっ」
おいこら、興奮して人の手を噛むな! 痛いよ痛いって! 小動物か、あんたは!
「入れるのか入れないのか、返答次第によっちゃあ、甘噛みじゃすまねーぞ」
ビートルズのお気に入りに、欧陽ひいひいを? 不条理すぎやしないか。
「ひいひいさっきから言いなさんな。とにかく入れたな」
ええー。本気? 本気で言ってるわけ?
「カリカリ...」
はいはい。入れますよ、もう。んじゃあねえ、仕方ないなぁ泣く泣く第10位のオクトパス・ガーデンと入れ替えて、じゃあラヴ・イズ・オーバーで。
「それでいいんだよ、それでよ。ジョン4、ポール3、ジョージ2のひいひい1だ。いいとこじゃねーの?」
はいそーですね。


あのさー、ジガジさんさー。
「なんでい大将。その困り顔はよ」
改めて言うんだけどさー。
「どうしたい、改まって」
あんたはさ、オレをなにかと賛辞するために登場してきたはずだよ。
「それがどうしたい」
ただただあんたはオレを自賛してくれりゃあ、それでいいはずだったんだよ。
「そーだったっけ」
それがなんだか回を重ねる毎に、口のききかたはぞんざいになるわ、態度は悪くなるわ、文句は言うわ、ベスト10グチャグチャにするわ、モルヒネを寝てる間に飲ますわで...
「あ。バレてた」
なんだか歯止めが利かなくなってきたよ。ふう。
「な、大将」
なんだよ、ったくよお。
「そんなに頭を抱えなさんな、な。まあさ、流れるに任せるさ」
ちったあ反省しろよ、自分の分をわきまえてくれよ。
「あのな、そうやって悩んでるとさ、突然マザー・メリーがさ、カムズ・トゥ・ミーしてきて、んで、いい事言ったもんだよ」
...レット・イット・ビーだろ。
「そうだよ大将、“なすがままに”。世の中つまりそういうこった」

ふう。自分でこさえたキャラクターとはいえ、なんだかこれからの展開がますます不安になってきたよ。
「んじゃあな、また来っからよ」
もう来なくていいよ。
「あ。なんか言ったか」
いや別に。

by wtaiken | 2005-05-08 08:42 | 音楽の時間 | Comments(0)

<音楽の時間1>   

「ブログの締めにいつも書いてる<きょうのBGM>? あれ探し出しては聴いてみるんすけど、いい曲ばっかっすよね。いやぁさすがっすわ。あれ、これからも愉しみにしてますんで!」

まったくといって、そんな声はどこからも届かないわけだが、とにかく私は一方的に人にモノをススメることが好きだ。
音楽に限らず、映画やドラマ、小説...自分の好みに適ったそういったモノたちを「あなたも是非気に入れ!」とばかりにススメるのだ。
そしてくどいくらいに感想を求め、半ばゴリ押し的に「よかった」などと言わしめると、そりゃもう我が事のように歓喜する。嬉しくてジャンプなんかもしたりする。

逆に、人からのススメにはほとんど乗らない。
「会田さん、今度の映画○○、あれいいですよ! 絶対オススメ!」
「...。」
知らんぷりである。
たまに調子を合わせて「おお、そうか!」と相づちは打ってみせるものの、3秒後に忘れてしまう。
まことに勝手なことなんだが、それでも片道通行的に私は人にモノをススメている。昨日も、今日も、明日も。

そんな私だからこそ、<きょうのBGM>をスピンオフしてみて、今日からメインコーナーのひとつにすえることにしたのだった。
題して<音楽の時間>。思い立ったら、ぼつぼつと書いていこうと思っている。

ただ、ランダムに好きな音楽、お気に入りの音楽を淡々とススメるコーナーでは決してない。
自分の音楽体験の源流からこれまでを系統だてし、大いに影響のあった主にアルバムをピックアップ、それを改めて聴きつつ当時の思い出とともに語る、いわば音楽随想録なのである。
ただこうしてひとりで語り出すと、どうも文章が堅くなりがちで、読みづらいことに陥りがちなので、こんな時に便利なやつ、ジガジさんに登場願うことにした。

「おおおっ、わわわわわわたくしでですかい!」
気を抜いてたな。そして慌て過ぎだ。
「土日だというのにお呼びがかからず、一人で書き始めちゃってさ、こりゃ早々3週目にしてお役御免なのかと思っちゃいましたよ。う」
泣いているのかい。
「バカな。潮風が目にしみただけです」
ここは湘南か。
「さ、そうと決まれば早速に! 進めてまいりましょうや、その音楽の時間とやらを!」
お、やる気がみるみる二の腕に力コブとなって現れているね、ジガジさん。意外と体格ガッチリしてるんだ。
「やめてください。わたくしを具体的に描写するのは。ジガジの容姿は読んでくれている方々の想像にお任せしたい。実のところ谷原章介似だということは、ご内密に」
でね、
「無視ですかい」
早速第一回目の今日は、13の春にはじめて買ったLP『陽水ライヴ もどり道』からはじめようと思うわけ。
ところがこれ、手元にないんだな。CDで買い直したりもしてないしさ。LPは実家だし。
「よ、来ましたな。あっしの出番だ!」
なんだよ、突然靴紐なんか結んで。
「あっしがひとっ走り、実家に眠る『もどり道』をとってまいりやしょう。なに、この鹿のようなあっしの脚力をもってすれば片道1日とかかりますまい! えーーっと、休憩を含め3日ほどのお時間を。それと、手間賃3万円くれ」
素っ破かよ! 金とんのかよ! 電車でいけよ! ってジガジさんあんたはツッコミどころ満載すぎだ。つーか、今回ついに買ったよ、CD、ホラ。
「ケ! 大人はすぐそれだ。あーもったいない。実家にあるのにもったいない」
しかも当時の面影を残す紙ジャケでだ。おー懐かしい。
「しかしどーも、『もどり道』からご自分の音楽源流を探るだなんて、少々出来過ぎのきらいが...」
出来過ぎもなにも、“わたしのはじめてのLP”がこれなんだからさ、仕方ない。


<音楽の時間−『陽水ライヴ もどり道』を手はじめにゲット・バックしてみるの回>
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今の人には信じがたいことかもしれないけど、当時中学生の自分にとって、こづかいからLP代の2500円(確か)を捻出するのって、ホント大変なことだったのよ。
だから一枚のLPを、それはそれは大事に聴いてたなあ。
「そこから、今の飽食時代に対する小言がはじまりますかい? よ、小言犬!」
変なかわいい雑種みたいに言うなよ。はじまりませんよ、小言なんて。
「ち。つまらねえなぁ。しかしなんですな、中学までレコードを買わなかったってのは、少し遅すぎやしませんかね」
こづかいをレコードに使うなんて意識が、小学生の自分にはなかったんだろうな。アイドルに興味はあっても、それはテレビ・ラジオでいくらでも聴けたわけだからね。
自我の目覚めとともに、音楽やファッションというものにより興味が湧いてくる。
「レコードを買うってことが、すなわち大人の階段を昇っていくようなもんだったんですな」
そんな感覚も、今の人には理解しがたいんだろうなあ。
「そこから、現代社会の病巣を暴く小言が...」
無視でございます。
「ああ、ずるい! それはわたくしのフレーズでございますぅ!!」

実は、陽水を聴くきっかけをつくってくれたのは、小椋佳なのよ。
「出た! 銀行員シンガー・ソングライター!!」
3チャンネルの『みんなのうた』で聴いた小椋佳の『さらば青春』が気になって、それをFMでエアチェックしようとしたとき、偶然流れてきたのが井上陽水の『グッド・グッド・バイ』だった。それ聴いたらもう小椋佳なんてどうでもよくなっちゃって、そっから井上陽水一直線。
「好きな女の子とグループ交際をはじめようとしたら、その好きだったはずの連れてきた友達の方がよくなっちゃったみたいなことですね」
...う、うん。まあ。
で、自分のこづかいからはじめてレコード、シングルの『グッド・グッド・バイ』を買うんだけど、やっぱ2曲ってのはねえ。物足りない。それからこづかいを少しづつ貯めて、ようやく買ったのがこのライヴ盤。オリジナルアルバムじゃなくて、ライヴ盤にしたのは、聴きたい曲がたくさん詰まっててお得な気がしたから。

「ご歓談中ではありますが、プレイヤーの支度も整ったようでございます。ではここで久しぶりの『もどり道』、音楽の時間でございます!」
四半世紀ぶりだよ、聴くの。ちょっと緊張するなあ。

−ビニールカバーをやぶり、CDをプレイヤーに。
 アコギ一本『夏まつり』から、ライヴがはじまる。
 しばし二人、目をつむり聞き入る。

改めてこうしてCDで聴くと、A面からB面にひっくり返さなくていいんだなあとつくづく実感するねえ。・・・あれ。ジガジさん。寝てんだろ。
「ヒ! 寝てるだなんて、失礼にゃ」
言えてないよ。
しかし、演目も、もちろん曲順もすっかり忘れてるなあ。すり切れるほど聴いたはずなのに、なんでだろ。
「なんたって、 25年ぶりですから無理もない」
でもここ! この「人生が二度あれば」を唄う前のMC。ここで陽水が泣くんだよ、それは克明に憶えてる。
このライヴの前年に亡くなった自分の父について語るんだけど、そこでね、陽水は声を詰まらせるんだな。
「お。ここですな。確かに泣いております」
それまで陽水のMCで笑ってたお客さんも、なんか固唾を飲んで見守ってるなあっていう雰囲気まで伝わってくるライヴだな。
「全体的には、陽水の天然なMCが随所随所で笑えますですね」
卒業式の晴れ着姿の娘さんを見かけてグッときて、“なんで男に生まれたんだろう。だって絶対女の人がいいもん。損しちゃったなあ”発言もいいし。
「ハードに演奏した『東へ西へ』が終わって“お騒がせしました”なんてポロッて言うところも、よござんした」

−アンコールで『夢の中へ』が終わり、トータル56分の音楽の時間、終了。

そうだ、この『もどり道』には悲しい思い出があるんだった。
「ほほう」
B面の、何曲目かそれは失念しちゃったけど、長く深い針キズ、盤面につけちゃってさ。
「あちゃー」
うわ、古い合いの手だ。
で、そこに来ると、プツッ...プツッ...プツッ...って、演奏どころじゃないくらい大きく響いて、その曲は聴けなかった。悲しくて。
もろちん買い直すなんて財力はないし、あっても他のLPが欲しいわけだし、レンタルなんてない時代なわけでさ。
どうもこの『もどり道』には、そんな思春期の悔恨の思いが強く残って、音楽のことが吹っ飛んじゃった感じ。
音楽って、匂いの記憶に似てて、パッとフラッシュバックして、その聴いていた当時に感覚が戻れることがあるんだけど、残念ながら『もどり道』にそれは残ってなかったな。自分でつけた大きな針キズにプッツリ思い出も断ち切られてしまってた、っつー締めはどうだろう。
「うまいことまとめましたな」

じゃあ今日はついでに、と言っちゃあなんだけど、音楽好きな私の第一歩を切り拓いてくれた小椋佳の『さらば青春』でも聴きながら、終わりにしましょうか。
「ブルボンのお菓子についてた8㎝CDですね、これは」
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これはこれでいい曲だけど、このまま小椋佳聴いてたら自分の人生変わってたかもしんねーなあ。
「銀行員で、横分け!」
かもね。

by wtaiken | 2005-04-24 16:15 | 音楽の時間 | Comments(2)