ダークナイトトリビア:1回目・続   

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2 ウォーペイント

字幕は画面横一列でなるべく完結し、読みやすくしなければならない都合上、もとのシナリオから大分短くした日本語になってしまうのは仕方のないこと。
開始2分3秒あたり、銀行屋上でのハッピーとドーピーの会話ではジョーカーのメイクについて語られてい、
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BD版字幕では ──
ハッピー「ジョーカーって?」
ドーピー「顔にハデなメイク。
     相手を脅かすためだ」

と実に簡潔になっている。が、もとのシナリオには
「...to scare people.」(相手を脅かすためだ)のあと「 You know,war paint.」とある。すなわち字幕では、この"ウォーペイント"部分がまるまるカットされているのだ。
この"ウォーペイント"とは
「アメリカ先住民族などが、戦いの際に顔に施す派手なメイク」。

ジョーカーのメイクはクラウンをもじったものであり、かつウォーペイントでもあるという解釈をクリストファー・ノーランはしている。


3 FBI捜査官→組織の銀行支店長

2分15秒あたり。襲撃してきたクラウンマスク一味に臆することなく、いきなりショットガンをチャクルズにぶっ放すという番狂わせで驚かす銀行支店長を演じているのがウィリアム・フィクナー(フィクトナーと表記もされる)。
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「プリズン・ブレイク」ではアレクサンダー・マホーンFBI捜査官を演じてい、開始早々すぐに退場してしまう端役になんて贅沢なキャスティングだと思われた諸氏もおられるかと。
ところで、クリストファー・ノーラン監督は、「ダークナイト」をつくるにあたりマイケル・マン監督の「ヒート」を参考にした、と語っている。都市型犯罪の描き方、アル・パチーノとデニーロが対立しながらもお互いにシンパシーを感じているという構図をバットマンとジョーカーの描き方に反映させるなどの影響が見られる。
この映画にウィリアム・フィクナーは出演している。
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4 ジョーカーの髪色

銀行に押し入ったクラウン一味が仲間同士で次々殺し合い、最後にバスドライバーを撃ち殺したボーゾのみが一人だけ残る。いくらぼんやり観ていたとしても、この辺りでたいがいは"おやおや"と気づくはずだ。
そのタイミングを見計らうようにして、ボーゾの髪を緑にしている。(あるいは、より緑色であることをわかりやすくしている)

どういうことかというと、ジョーカーの髪色は緑だから。これはバルタン星人の手がハサミであることと同等のアイコン、自明の理なのだ。しかしこれをはじめからそうしてしまうと、いきなりここでこいつがジョーカーであることがバレバレだ。
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支店長の足を撃ったときもご覧のようにまだ茶髪。↓
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ところがバッタバッタとクラウン一味がバトルロイヤル式に姿を消すと、いつの間にかボーゾの髪が緑色になっている。
そのタイミングがバスドライバーを撃ち殺すあたりの4分58秒。
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こっちの方がよくわかるかな。↓
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この普通髪からジョーカーヘアーへのスライドを一見して見破ったとしたら、それは相当変わった見方をしている人だ。私は何遍も観てようやく気づきました。

ちなみに同じシーン、支店長に捨て台詞を言うところでは横たわっているバスドライバーの死体が、ジョーカーがバスに乗り込むときにはなくなってる! だなんて指摘をしている人がいましたが、それは挙げ足とりというもの。
なにを優先するか、なにを見せたいのか、これくらいは映画でやっていい嘘だと思うよ。
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ふう。とんだ手間のかかる大仕事になっちまったい。
トリビア第一回目の区切りまで、あと2項目! がんばれ、自分。まだつづくよ!

by wtaiken | 2012-01-31 20:12 | ダークナイトトリビア | Comments(0)

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