3ヵ月ぶりとかになってしまい...   

いつものことながら、ブランクがありすぎるというか...

その間に、「前略おふくろ様」以来の、どころかその半期前の (はずの) フジ制作ドラマ若尾文子演ずる死んだ奥さんが残された無精な夫 (藤田まこと) を気にかけなにかと幽霊となって現れてはちょっかいを出すコメディー「あなただけ今晩は」...より遡ること数年前の、当時確か私と同じくらいの小学低学年の子供が不治の病にかかってしまい、朝起きておしっこしたときの「お父さん、ぼく、いま真っ赤なおしっこが出たよ」というセリフがあまりにもショッキングだった「君は海を見たか」以来の、つまりかれこれ40数年来の、この歳にしては "生粋の" と表現してもよさそうなファンであるところの倉本聰新作ドラマが4月改変期からはじまってい、お昼にのんびりテレビでも観ているようなシルバー層をターゲットにした昼帯ドラマ「やすらぎの郷」のことなんかもあれこれ書きたかったし、4月だったかに再放送されたNHKドラマ、現状横溝正史原作の金田一耕助ものとしては最新の映像化である「獄門島」、その長谷川博己演じる新しい金田一像があまりにもネット民の批判対象となっているので、ある意味援護的なドラマ評を、市川崑の映画および古谷一行・金田一の1977年「横溝正史シリーズ」などと照らし合わせつつ書きたかったのだが、久しぶりの更新となる本日はリハビリととらえ、結構根をつめて書かなければならなそうなそれら案件は差し置いて、やっぱりそうきたかの映画の話題でご機嫌でも伺おうかと。

さて、もうかれこれ1年も前になるだろうか、ティザー予告が公開されて以降、これまでに予告篇が計3本、そのどれもが観ていてどうも今ひとつな印象しか残らない、クリストファー・ノーラン史上初の「あんましワクワクさせてくれない」予告篇ばかりだからこそむしろ本編に期待出来るのではないかと、つまりこのところDCコミック映画にありがちな "予告篇詐欺的" なものとは真逆のことがファンの間ではささやかれもしている第二次世界大戦中の史実「逃げるが勝ち!」な大撤退作戦「ダンケルクの戦い」を描く、タイトルもズバリな「ダンケルク」の公開がいよいよ迫りつつある中、いまのところ "国内最大級" というふれこみの、2019年には次世代IMAXレーザーシアターが杮落される予定の池袋に追い抜かれるまでは、もう成田にはいかずにここしかないでしょな駅前IMAX、電車降りてなんなら5分強で巨大スクリーンに対峙できるアクセスの良いT・ジョイPRINCE品川にて、9月9日公開なので一足も二足も早い感が否めない「公開記念」のクリストファー・ノーラン特集が組まれ、本日24日から翌週30日金曜日まで、「インセブション」と「インターステラー」の2本が期間限定公開ですぞ、みなさん! なのでした。( いやあ我ながら1文が長い長い、息つぐ間がありゃしない。) 映画館としては一年の中でももっとも稼ぎ頭な、ブロッグバスター映画がこれから目白押しな夏興業前の、ちょうどここしかIMAXが空かなかったってことなんでしょうね。
本気の公開記念リバイバルなら、公開日9月9日へのカウントダウン的な直近1週間前にすればより「ダンケルク」が盛り上がるはずなんだけど、そのあたりがなんだかんだいってまだまだ一般的に認知度が低い監督ってことなんだろうし、私には意外なほど一般的には、映画監督にこだわって映画を観る観客が少ないってことでもあるんてだろうな。

両作品共に1日1興業。IMAXとはいえリバイバルなので1300円。おトクだし何十回とテレビ画面で観るより断然価値があるので、ホント映画館で見逃している東京人はこの機会に是非。「インセプション」は朝イチ10時から、そして「インターステラー」は18時20分から。
おそらく2012年公開当時はそれぞれの都合で見送っていたところ、後追いでソフト視聴をし痛く感動の末「ああ映画館で観ておけば良かった」といった後悔民が "待ってました" とばかりに詰めかけるのか、私みたいなリピーターが、まあ上下相当な比率の映像がカットされてしまいはするものの、国内最大級のデジタルIMAXで再視聴するつもりなのか、「インターステラー」は、24日分、かなり埋まってきています。翌日曜の分も。連日18時20分からの興業なので、平日も「インターステラー」の方は盛況になるかもね。3時間の映画なので、終演がなんと21時20分。結構遅くなるので、お気をつけ遊ばせ。

実は3月に公開されていた「キング・コング : 髑髏島の巨神」の予告篇枠で、本国アメリカでは「ローグ・ワン」フィルム上映館でのみアタッチされていたらしい「ダンケルク」冒頭5分間のプロローグ映像が、当品川IMAXと二子玉川のみで限定公開されていたらしいんだけど事前情報が入らず、しかもこのコング、私その品川IMAXで観ているのにも関わらず朝イチ興業だからアタッチされなかったのか、あるいは開始ギリギリの駆け込みだったから時既に遅しだったのか、いずれにせよ見逃していた、観た人らのネット評でのハンパない臨場感らしいそのフッテージを、そんなもんあと少しで公開なんだから待てばいいんだろうけど、今回のリバイバル上映では観られるんじゃないでしょうかねえ、と期待。

そういえば4月に、映画館では久しぶりのリバイバル「ダークナイト」を有楽町のピカデリーで観たんだけど、(not IMAX) さすがに観すぎで途中眠くなっちゃいました。
「インセプション」は公開時に劇場視聴は1回、その後ソフト視聴は2.3回程度というごく常識的な視聴回数だと自ら認識しているけど、「インターステラー」に至ってはちょっと数えきれないくらいこれまでに観てい、その都度感動を新たにしているんだけど、IMAXで観るのは2012年の公開以来。
「ダンケルク」冒頭5分映像のこともあるし、両作の鑑賞報告は来週に!

ではまた近々に。

# by wtaiken | 2017-06-24 03:26 | Comments(0)

傷だらけの天使ファンに朗報   

週に4話、だから6週間強をもって3月に無事放送が終了したBS12の「傷だらけの天使」。まだその多くを録画しっぱなしのままに、後半10話ほどをDVD-BOX購入以来だから実に15年ぶりに観たのだったが、やっぱりよかったね。
その後半だけをピックアップして観ると、労使関係などどこ吹く風の、ショーケン、水谷豊、岸田森のコントのごときトリオ・アンサンブルがノっていて、たとえば第22話「くちなしの花に別れのバラードを」では、篠ヒロコ扮する華道家元葉子にフラれた修と辰巳が亨を彼女に見立てて踊るフォークダンスの物悲しいやらバカバカしいやらのシークエンスが、到底エピローグとは言い難いくらいにたっぷりそこに時間が割けられているし、第23話「母の胸に悲しみの眠りを」では、冒頭喰うに食えない飢えたショーケンの演技がメイクとともに最高におかしく、明らかに岸田森は役を離れて笑いを堪えているのに必死なところが、今回のデジタル放送でよくわかったくらい、もはや台本を離れ好き勝手にやっている感じすらしてくる。そんなお祭騒ぎの喧噪から、一気にそれぞれが孤独を味わうことになる最終回は、今更持ち上げることもないくらい傑作中の傑作であり、私なんぞ久しぶりに観たその日一日は、「傷だらけの天使」ロスで仕事が手につかないくらいだったよ、何度観ようとも。メインレギュラーのほとんど全員が孤独の中で終わりを迎える最終回に相応しい挿入歌デイヴ平尾の「一人」を含め、各ショットの適確なアングル、亨が死んだところで聞こえる電車の発車ベルなどの音設計、ドラム缶を下ろしたショーケンの肩をいからせて夢の島から走り去るその姿の完璧なところ...もう語り出したらキリがないくらい、なにもかもが神がかり的な終わり方だと思う。
とにかく詳しくはどこかでじっくり語りたい、誰がいつから言い出したのか知らないが、個人的には決して "傷天" とは略したくない「傷だらけの天使」、実はBS12で早くもリピート放送が決定して、今度は日曜夜9時から週一放送だそうです。第1話を取り逃がしたので、また今度は最初から全話観るつもりなんですが、なにより喜ばしいのが、紙媒体以外では珍しくショーケンが語ったインタビュー番組も本日夜9時より再放送です!

「傷だらけの天使」、「前略おふくろ様」DVD-BOXの特典には一切顔を出さず、それら大ヒットドラマに限らず、なかなか顔を出してのインタビューで自作を語ることのなかったショーケンが、わずかに30分とはいえ、おそらく新鮮味のある話も少なかろうですが、やっぱりこれは貴重です。
願わくば、プライベートではつながっているようなのに、ドラマ・映画での再競演は未だ適わない水谷豊とのツーショットが実現したら、ちょっと歴史的な大事件だったのになあ。

そりゃBS日テレじゃないんだから、そのままショーケンドラマ枠になることなく、BS12の後番組渥美清の「泣いてたまるか」もわずか数話で終了したけど、1月とあけずにリピート放送が叶うなんて、やっぱり今だ "伝説" という冠は不滅でしたね。
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# by wtaiken | 2017-04-01 23:37 | Comments(0)

続・2016年鑑賞映画トップ10   

日を跨いでしまったので、「続」というこで。ちょうど半分の第6位から。


第6位.「新婚道中記」
スクリューボール・コメディが総じて面白いわけではもちろんないが、なにも考えずに楽しめるこの頃の映画はつくづくいいものだなあ、と。ケイリー・グライトとアイリーン・ダンの、スマートで上品なコメディアン、コメディアンヌっぷりが最高の一本。と、書いてみたところで、この映画を観た昨年の10月時点の、2016年の10指に入るほどに感じ入った半年前の感懐を今やすっかり失念してしまい、通り一遍の劇評しかできないのだったが、傑作には間違いないので、オススメします。
ヤフーレビューでは5点満点中 4.60 点。評価数が少ないというのもありますが、さすがに高得点。


第7位.「郵便配達は二度ベルを鳴らす」
確かヴィスコンティ作のものも、ジャック・ニコルソン & ジェシカ・ラング主演81年作も観ているはずなんだが、なんの印象もタイトルの意味するところもまったく憶えちゃいないのだ。で、なんでまた同原作映画を観ることにしたのそれすらも憶えていないが、今作はもうよろめく人妻役のラナ・ターナーが、バツグンによかった。劇中の「これまでに何人の男にくどかれたね?」という男の問いに「私を見てプロポーズしなかった男なんて1人もいなかったわ」なんていう豪語もさもありなんの美しさにうっとり。ようやくここにこの物語の概要と、タイトルの意味するところを理解できたのだが、そもそも3度も映画化されるほどの内容かねえ、これ。と批判しつつも、ラナ・ターナーただの1人で2016年の10指に堂々のランクインです。
ヤフーレビューでは5点満点中 3.60 点。多の2本より微妙ながらも評価高し。


第8位.「ドント・ブリーズ」
実はこれ、「ローグワン」のモヤモヤ気分を解消してくれるのはきっとこの一作だろうと期待を込めて2016年末に観に行くつもりだったものがズレにズレ込んでの17年1月19日に観たので、2016年トップ10にはランクインすべき映画ではないのだが、今2017年末の10本を決める時にはおそらくこの映画を楽しんだ感情も薄れてしまいランク外になるんじゃないかと踏んで、「16年に観るつもりだった」この映画を特別枠として入れてみました。
すべてが適確な演出に裏打ちされてい、終始ニンマリ顔で鑑賞。プロットは簡潔、金欲しさに盗みに押し入った若者らが盲目の男の家という密室で遭遇する恐怖の連続、「あのセリフはそういう意味だったのかよぉ」な、よもやの展開、生き延びた1人がその密室たる家から這々の体で逃げ延びて "外に出てしまえばいくらなんでも追って来れまい" と、まさにひと安心する暇を寸分も与えてくれないワンちゃんをスッと出す狂いのない演出、希望に満ちた西海岸へ向かうはずの空港ロビーが異常なほどくっきりと影を落していてバッドエンドにすら思えるラスト、そしてエンドロール、「ああここではあんなこともあったよねえ」の無人カーテンコールというアフターサービス。これまた最高の一本でした。
ただひとつもったいないのは、盲目の老人、もっと視覚以外の感覚が研ぎすまされているのかと思いきや、若者のぎりぎりを霞め通っても人の気配や体臭すらも感じない、案外ぼんくらなんじゃないかとも思えてしまうという設定が如何なものかと。冒頭主役の女がたばこを吸っているという描写に、これは断然のちのち効いてくる設定なんだろうと思っていたら、なんの伏線でもなかったし。そういう怖さも積み重なっていたら、もっと上位だったかも。
あ、ちなみに本日22日ソフト発売日なんだそうです。レンタルも昨晩から並んでいるのかな? 観て損はないです、てか本当に面白い映画なので、是非。
ヤフーレビューでは5点満点中 3.72 点。意外と評価が低いなあ。



第9位.「生贄夫人」あるいは「花心の刺青 熟れた壷」
神代辰巳一辺倒だった日活ロマンポルノから大きく開眼した2016年、その神代とは違うベクトルで強烈だったのが小沼勝の谷ナオミもの。神代の撮る谷ナオミにエロスはほとんど感じなかったけど、小沼勝の、肌に密着して舐めまわすかのようなアップショットはエロ大炸裂です。
神代のロマンポルノ監督作では、なんの情報もなく手にとったのがいきなり「女地獄」だったし、小沼監督作もまず「生贄夫人」からだったりし、私は強烈な一作を嗅ぎ分ける鼻が利くのかも。脚本は「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」の田中陽造。田中陽造にハズレなし。のちのちの情報でみうらじゅんのウィタ・セクスアリスがこの「生贄夫人」なんだとか。氏の監修による「永遠のSM女優 谷ナオミ」写真集まで買っちゃいました。
ついでに、というか甲乙つけ難く同位にした「花心の刺青」もまた強烈なヘンタイものでしたが、ストイックな彫師蟹江敬三が特によかった。
ヤフーレビューにこの2作のレビューどころかデータもなし。


本来のランキングなら9位に2本選出で10位は空位となるものなのだが、そんなことに頓着せずに第10位も選んでまえ。

第10位.「恋人までの距離」
「6才のボクが、大人になるまで」という6歳の少年を12年間も追い続けたドラマをつくりあげた狂気ともいえる監督リチャード・リンクレイターによる1995年の今作を去年初視聴。若きイーサン・ホークがまあかわいいよね。で、映画はとてもよかったのだが、これには9年後の続編「ビフォア・サンセット」と、さらにそこから9年経った続々編「ビフォア・ミッドナイト」がある、2017年現在3本シリーズなのだが、私的にはこの1作で終わってくれた方が断然よかった。そりゃ今作での二人の行く末を気にはなったけど。あのラストの感じは、ゼッタイに再会しない演出がしてあったと思うんだけどなあ。それにしても辛抱強く登場人物を何年にも渡り描き続けるのが好きなんだね、この監督さんは。なので、4本目もあったりして。
ヤフーレビューでは5点満点中 4.05 点。まともな評価かと。


ということで、2016マイ・ベスト10は、2016年公開作が6本、旧作が4本でした。
正直旧作の4本はおまけに選び出したくらいの感じで、2016年は取り立てて選出するほどの映画が10本もなかったかなあ、という印象でした。

さ、今年ももう桜3月だけれど、いい映画観るぞー、おー、ということで、ではまた。

# by wtaiken | 2017-03-22 02:40 | なんでもベスト10 | Comments(0)

2016年鑑賞映画トップ10   

年が明けてから延々と書き連ねてきた2016年の映画館における映画鑑賞が44本と (年間の映画鑑賞記録をつけはじめたのがここ10年のことなので、それ以前はいざ知らずともおそらくは) 自己最多レコードを達成し、そこへ市販ソフトおよびレンタル、エアチェックなどの自宅視聴を含めた鑑賞総数302本中、お気に入りなどの理由により再視聴した本数75本 (相変わらず多いのだが!) を差し引いた231本から、今年もマイ・ベスト10を発表しようかと思う。
で、なぜに再視聴映画をこのベスト10から除外するのかというと、そんなもの入れはじめたら例年クロサワ、小津らの諸作をはじめ、「ダークナイト」やら「インターステラー」、さらに数年おきに観ている「地獄の黙示録」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」「ブレード・ランナー」「犬神家の一族」などなどのお気に入り映画で上位どころかまるまる全10本を占めてしまうからに他ならない。って、ベスト10発表の度にことわり書きをしているはずなんだけど、一応。

さすがに3月ともなれば各映画賞もすっかり発表済みとなり、意外なところでは設立以来何年経とうがいまひとつ権威という箔のつかない日本アカデミー賞が作品賞に「シン・ゴジラ」を挙げたところくらいで、とはいえ意外も何もキネ旬だとか映画秘宝だとか比較的目にしやすいランキングしか知らないわけで、そんな中、毎週土曜夜放送中の「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」番組内での映画評論コーナーに取り上げられた51本から選ばれる2016年ベスト映画10本は参考までの以下の通り。ただし去年は1位のさらに上いく "年間チャンピオン" なる特別枠が設置され、ベスト11本になっているが、その経緯は省く。

CAMP 「クリード チャンプを継ぐ男」
1位 「この世界の片隅に」
2位 「葛城事件」
3位 「シング・ストリート 未来へのうた」
4位 「何者」
5位 「ヒメアノ〜ル」
6位 「ドント・ブリーズ」
7位 「クリーピー」
8位 「アイアムアヒーロー」
9位 「シン・ゴジラ」
10位 「デッドプール」

なんだそうです。
もちろん各人お気に入り映画なんてものはまちまちなので、この順位について特に言うことはなにもないんですが、2つばかりちなんでおくと、この11本中現状観ていないのは「何者」のみ、さらに今年になってからレンタル視聴した「シング・ストリート 未来へのうた」は、2017年年間マイ・ベスト10に入ってくるかはいざ知らずながらも最高の1本でした。

でもって、市井の広告屋な私のベスト10? トップ10? などなにももったいつけることもないので、第1位からカウントアップで発表していきます! 果たして2016年公開の新作は何本ランクインするのか!! 宇多丸師匠の10本とかぶる映画はあるのかどうなのか!!! ビックリマークをいくらつけたところでまったく煽られませんが!!!!早速第1位から、いってみよー


第1位.「スティーブ・ジョブズ」
ジョブズ伝記はこれまでに何作かつられているが、今作は、本人とは似ても似つかないマイケル・ファスベンダーがヅラも特殊メイクも施さずに (って書いといてふとカツラは被っていたなあと思い出したのでここにカッコ書きで訂正したします) 似てないままジョブズを演じてきっている、ダニー・ボイル監督による2015年作。3つのプレゼンテーション直前のジョブズに密着したという体裁の約2時間、登場人物も限られているので、しゃべりつづけるジョブズの嫌な男っぷりがアンドロイドなファスベンダーによってより際立っている。
アカデミー賞主演男優、助演女優賞候補にもなっていたし、気にはなっていたものの、果たしてこんな極端なシチュエーションの映画が成立するのか、鑑賞中に飽きちゃうんじゃないかという若干の不安はあって、出演する側や演出する側にもそんなメンタルがあったのか、あるいは単なるスケジュールの都合かははいざ知らず当初監督にはデヴィッド・フィンチャーが、ジョブズ役にはクリスチャン・ベールが予定されていたようで、それはそれで観てみたかったものの、この映画はこれで大正解だったと思う。前述の通り、ポーカーフェイスなファスベンダーの人肌の感じさせない人物造形が、映画では最後となるプレゼン会場の屋上で、次なるプレゼンを予感させる、とある人物との "実は" 的なつながりを示すシーンにより効いてきて、私は完全にノックアウトでした。個人的には2016年ダントツの1位。
ちなみにヤフーレビューでは5点満点中 3.28 点です。


第2位.「君の名は。」
ま、こりゃね、好きなんだから仕方ない。いやわかるよ、あり得ない設定のうえにありえない話が積み重なっていくというところもさ、批判する人からすれば「感情移入できまっせーん!」なんだろうけどさ、単なる「転校生」現代アニメ版かと思いきや、そこに「時をかける少女」まで取り組まれてくるわけで、説教臭いしゃべくりが好きになれない大林宣彦監督のメディアから垣間見える人となりは置いておいて、それら諸作は大概の映画好きは大好物なはずで、もちろんかつて私も尾道にあこがれた一人としては、こりゃたまらない映画でした。その他この映画については「映画館鑑賞映画総括」で記した通り。
エンディングについては、ありゃバッドエンドなんじゃないかなんて評する人もいるけど、実は「もしや二人にとって悪しきエンディングが待ち受けているじゃないかしらん」という不安だったりドキドキを、別の未来になったエピローグシークエンスではちゃんとひとつひとつ打ち消していって、"もうあと道はひとつしかなかろう" なハッピーエンドへ向かわせるという親切な映画なんですよ。もう一回観ようと思いつつ、まだ行けてないが、それにしても息が長い映画だ。
一昨日銀座松屋ギャラリーに水木しげる展を見に行ったら、その隣りのギャラリーでは「君の名は。」展が開催されていて、これがまた両展覧会ともに大盛況してましたよ。家族づれでなければ、お隣さんにも顔を出したかったところでしたが。
ヤフーレビューでは5点満点中 4.08 点。なんだかんだいって高評価キープだね。


第3位.「この世界の片隅に」
年間鑑賞映画のマイ・ベスト10にアニメが入るなんて、確か2009年「サマーウォズ」以来のことで、しかも10本中に2本も入るなんてのは史上初かも。この映画の傑作ぶりは「映画館鑑賞映画総括」で記した通りなので、さらに補足することはなし。
ヤフーレビューでは5点満点中 4.06 点。あれ、意外。「君の名は。」より低いなんて。


第4位.「シン・ゴジラ」
これまではのゴジラは人類に対し悪者だろうと見方だろうと、なんだかんだいっても「ヒーロー」扱い。故に、造形は基本的に「かっこいい」ゴジラだったし、眼球の動きや動作・所作などにもしっかり感情を取り入れていたそんな歴史を根底から覆し、無表情、無感情、しかも変態する不気味な造形のゴジラにした庵野とそれにゴーサインをした東宝に、やっぱり拍手喝采ですね。第一から第四まで形態があるから、よりフランチャイズでも成功を収めているんじゃないでしょうか。あのひょこひょこ蠢く一番気持ちの悪い第二形態のフィギュアはさまざまなカタチで商品化されているようだし。そんな不気味な造形物としてのゴジラとフランチャイズの成功は、なんにせよ作品そのものが受け入れられた証だろうと。
ヤフーレビューでは5点満点中 3.87 点。いちいち評価を読んではいないが、ゴジラは着ぐるみ、ゴジラでエヴァをやってんじゃねえ的な、昭和ゴジラ世代からは忌み嫌われているのかもしれない。これも偏見か?


第5位.「デッドプール」
映画館で観た当初は、もっと上位で「こりゃサイコーだわな!」でしたが、このあたりに落ち着きました。
ヤフーレビューでは5点満点中 3.79 点。これも意外に低いな。アメコミ映画を、特に「X-men」シリーズを観てないとぜんぜん笑えないからか?


と、つづきは本日どこかで。

# by wtaiken | 2017-03-21 04:17 | なんでもベスト10 | Comments(0)

2016年映画館鑑賞映画総括 其ノ伍   

44本中の34本まできたところで「ラ・ラ・ランド」絶賛が2回続き、3月になってもまだ去年の劇評をしているという、誰のなんのためにもならない「2016年映画館鑑賞映画総括」の5回目です。話が横道に一旦逸れてしまうと行ったっきりのまま終わってしまうことは十二分に考えられることなので、たとえばやっと読破した「騎士団長殺し」については一言も触れずに、早速35本目から再開しようと思う。

あ、やっぱ「騎士団長...」について一言。村上春樹の小説でははじめて「ああ、もういいや」とイライラして途中飛ばし読みしちゃいましたよ。第1部の中盤まではかなり面白く読んだんだけれども。免色さん、面白い人物造形だったし。むしろ途中までは「一体どんな物語世界へ連れて行ってくれるのか」とワクワクして読んだくらい。笑えるセンテンスもこれまでより多かったと思うし。それがイデアが顕れたあたりから「お、こりゃ雲行きが怪しくなってきましたよ」と訝り、いよいよメタファーを遷ろいだしてからはもう「これぞ冗長!」と声を出して批判しちゃったくらい。ただ終わり方の余韻の残し方は悪くない。

あ、そうだ、 "終わり方" に触れたので、ついでにもう一言。アマゾンのレビューなんかを読んでると、「第3部に期待!」とか寝ぼけたこと書いてる人が少なからずいるけど、第2部でこれ完全に環は閉じてるんで、続かないですよ。
冒頭で、妻と離婚して結局元のサヤにおさまるまでの期間に、主人公の「私」の身に起きた奇特な体験について語るよという記述があり、そしてタイトル通りの「騎士団長殺し」は起こり、イデアは消滅し、第2部の終わりではきちんと妻とは元サヤの今の視座に戻ってるんだから、こりゃ小説としては完結してますでしょ?
仮に主人公と彼の周囲の人物によるその後の話が、万が一、億万が一にも書かれるとするならば、それはもはや「騎士団長殺し」というタイトルではなりえない話しで、同様の登場人物らによるそれはまた別の物語だ。
「いやいやだって多くの謎が残されたままだし」なんて言い出す人には、すべてがキレイさっぱり数式のように解決された小説なんてあるかね、と問いたい。含み、余白、のりしろ...なんでもいいけど、そういったところに我々受け手は想像力を巡らせ埋めていく作業もひとつの楽しみ方なんだろうし、 小説家もある程度はゆだねもするもんだろうしね。
十把一からげに「村上春樹を読んでるのはただファッションだけ」と断ずるお笑い芸人の意味不明な意見など耳も貸さずに、これからも私は愛読者として新作を期待しつづけますよ、たとえ今作にはガッカリしたとしても。てか小説をファッションで読んでなにが悪いんだって話ですよ。ま、いいや、耳を貸さずに、なので。


ああ、やっぱ長くなった。さあ、早速行きましょうよ、ホントにもう。



35.「レッドタートル ある島の物語」
ジブリ的な絵柄のジブリ作品でない映画が未曾有のヒットを飛ばし、その裏ではまったくジブリ的でない絵柄のジブリ作が大コケするという。鈴木プロデューサーも「 (某作とは比較にならないほど閑散としているので) とてもゆったりとした気分でご覧いただけます」的な、自虐的な宣伝をしてましたが。作家に惚れたプロデューサーが、ジブリの看板を掲げて全世界へ紹介したかった、それが大赤字になろうとも。その心意気に、ちょっと心服。個人的には、ジブリらしからぬアーティスティクな絵柄、セリフらしきセリフを排し、アニメらしく動きですべてを語るという演出、物語も現代の寓話としてとてもよかったと思う。なんにせよ、子供が出てくるものは、ただそれだけで点数高くなっちゃうんだけど。


10月
36.「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK-The Touring Years」
もはや印象にないドキュメンタリー。なんとなくビートルズがツアーをやめてレコーディングのみのバンドになった経緯が「へえ、そうなんだ」とは思ったには思ったんだけど、もともと個人的に今ひとつハマりが悪いロン・ハワード監督は、ドキュメンタリーを創らせてもいまひとつピンとこないんだなあと思った次第。



37.「七人の侍」
フィルム傷のないキレイな映像はクライテリオン版で鑑賞済みだったので、あとはデジタルリマスターがどれだけ音をクリアに再現させているかが大きなポイント。で、やっぱり冒頭の村人らの寄り合いシーンの、半狂乱、絶叫するその他大勢のセリフは所詮無理! 聞き取れない!字幕出して! でしたが、さすが名の通った名優らのセリフはキレイに聞き取りやすくなってたんじゃないでしょうか。
久しぶりに大スクリーンで鑑賞。村へ行くまでの、七人が次々集まってくるところですでに満点を叩き出す映画です。特に、志村喬の侍ぶりに心服して、昇り傾斜道をどうスカウトしたものか誰が言い出すのか、距離を保ちながら後を追う村人3人を、疾風のごとく追い越して弟子にしてくださいとすがる木村功に、さらにどけどけと割り込む三船敏郎、このシークエンスの、なんとも愉しくも美しいことか。今回は特に木村功の、キラキラした瞳で他の侍たちを観ている視点が印象的でした。


38.「ジェイソン・ボーン」
つくられる度にボーンの謎が増えていくという、続編のための後づけもそろそろネタが尽きて、カラッカラの出がらしでもまだなにかを絞り出そうとしている感がありあり。アクション映画の一時代をつくったシリーズではあるけれど、やはり欲をかかずにトリロジーでやめておけばよかったのにパターンにこのシリーズも墜ちたか、と。引き際は肝腎です。
で、ネタバレを承知で最後に一言付け加えると、ラストのアリシア・ヴィキャンデルの表情。あれさー、悔しがるんじゃなくって、余裕で "やっぱり出し抜いたわね" の「ふっ」と微笑むくらいの、どっちの意思で動いていたかを観る側に曖昧なままで終わらしておけば、彼女のキャラクターも謎めいて、もしまだ続編をつくるつもりなら、彼女の今後の展開に少しは期待がもてたのに、と思いました。ポール・グリーングラスももう別の作品にとりかかるべきです。


11月
39.「インフェルノ」
地球環境や全生命体にとって最大のガンは人類だって話はありふれていて、そのガンを取り除く「人類を減らしましょう」的な選民思想モチーフの映画もかなりあって、近年ではそれを面白おかしくやった「キングスマン」とかあるわけだけど、これをシリアスなサスペンスとして成立させるならば、それなりのきちんとした設定をはり巡らせないと私は冷めてしまうわけで。※ネタバレするので、以降はご注意

たとえば「人類撲滅」を単なるカルト宗教の教義・思想から実行に移すには、それなりの人員と規模が必要になるはずで、しかもそれを包み隠して秘密裏に...どころか堂々と全世界に発信している危険人物と目されているならばその身元調査は詳細を究めているはず。当然近親者から恋人も特定されてしかるべき。そう思っているから、その人物が物語終盤で明かされた時、ええーマジでえ、と思ったし、これってこのシリーズいつものパターンじゃんと心底ガッカリでした。しかも男からその意思をついで人類撲滅を実行しようとするんだけど、とにかく些細なことでもいいからその人物がそんな究極な行動へと突き動かす、全人類を呪うに能う、もう身勝手でもなんでもいいから動機が欲しいわけですよ。それがない。ただ遺志を継ぐだけ。そもそも危険思想の男も「愛する人ができたから、もはや実行に移すしかない」ってその動機もわけわかんないよ。それでとんでもないことが起こるかもしれないわりには全体的に動員されている人員がとにかく小規模すぎ。犯罪者側も追う側も。全人類死ぬかもしんないんだぜ、おいもっとみんな必死になろうぜ、なお粗末な体制。そんなところからも垣間見える、とにかく映画全体としてのスケールダウン感が半端ないです。だったら今更つくらなくってもよかったんじゃね?な映画。もうこれが原作通りのストーリーなら、こんな陳腐なサスペンスがベストセラーになっているのかと愕然ですわ。


40.「スタートレック BEYOND」
なんだか可もなく不可もない、当たり障りのない、大作チックな映画に成り下がったなあ。やっぱりなんだかんだいっても J・J の2作の方が格段に面白かった。もはや死に体、シリーズは一旦ここで終焉した方が潔くていいんじゃない?


41.「この世界の片隅に」
監督の片渕須直がこれまた宮崎駿門下。2016年を席巻した庵野といい、「君の名は。」の作画監督安藤雅司に今作の片渕監督。おそるべし宮崎駿のDNAな2016年だったですね。いやあ観終わった後しばらくしてから余計にじんわりきたというか。なかなかもう一回観ようかっていう気には軽々にはなれなかいけど、間違いなくこれは傑作でした。時代背景も描写もきっと徹底しているんでしょうね、私は戦前も原爆ドームの元の姿も知らないけど、原作漫画こうの史代タッチでありながらも、これは正確な描写なんじゃないかと感じたし、米軍戦闘機への迎撃描写なんて、アニメ的でありながらも止めコマとして見せる演出に、これはお見事!としかいいようがなかった。淡々とした日常に中に大意としての戦争が忍び込んでくる不幸、それでも人生はつづいていく、そのかすかな光を感じさせる終わり方にはドーンと感動しました。"ドーン"と感動って表現もおかしいんだけど、そんな感じ。
事務所の独立問題で消えたかに思えたのんがこうして注目を浴びる作品に出逢えるってところが強運だし、その強運を引き寄せる "なにか" があるっていうことなんだろうな、声優としても最高でした。あとコトリンゴの音楽も最高。こんな映画つくられたんじゃあ、宮崎駿も黙っちゃいられないだろうなってことで、復活することになったし。


42.「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」
なんか期待していた続編と違う。といいつつも前作がどんなだったかも薄ら記憶しかないんだけど。これまでももちろん子持ち役は経験済みとはいえ、トム・クルーズと娘だったかもしれない若い女の子との抱擁シーンには、そういう歳になったかトムも!と、まったく同い歳の私は感慨もひとしお、ちょっとジーンときちゃいました。でもやっぱり今年は総じて「この続編、なくてもよくね?」な作品が特に多かったような...


43.「海賊と呼ばれた男」
珍しく仕事絡みで鑑賞。んー、上っ面をなぞっただけですね、これは。この監督の作品については食わず嫌いで通していたのでこれまでの作品歴からはなにも言えないけど、この一作から判断するに、余計なCGに凝って、演出としてするべき核心にはまるで頓着していないんじゃないでしょうか。と思ってしまいました。山崎貴監督ファン、すいません!


44.「ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー」
タイトル長いよ、しかも中黒点多いし。それはさておきー
結論から言うと、ラストのダース・ベイダーの古今無双な最強シスっぷりをして、そこまでの映画としてのグダグダを許させるかどうかで作品評価が分かれると思うんだけど。で、私は「はい、ダメー!」でした。
※以降ネタバレ注意です

そりゃさ、あのラスボス登場っぷり、うわっやべーの来ちゃったよ、な、反乱軍の無名の兵士たちの絶望感たるや、もうこのシーンに興奮しないスター・ウォーズファンはいないだろうさ。もうこれじゃーん、これこれ、エピソード3で観たかったのこれよぉ、な「待ってましたー」が出たわけだけど。でも、そこまでが退屈すぎ & ダメダメな展開すぎ。
デス・スター完成間近になるまでなんで情報をリークしなかった? ギリギリになってからようやく伝令を遣わせられたのはなぜ? さらにその伝令パイロットに、デス・スターの破壊ポイントの情報もついでに託せられなかった? そもそも生きているか死んでいるのかもわからない友人フォレスト・ウィテカーにそれを送りこみ、さらには同様に生死もわからないはずの、生きていてもどう成長しているかわからない娘に託すかね? で、決死らしい作戦に挑んだら相変わらず帝国軍のセキュリティの甘さたるや...。あんな小さなトルーパーがいたら即刻拘束でしょ、普通は。と、こうは書きたくはないけれど「ツッコミどころ多すぎ」。
名前も失念しちゃった南国ビーチみたいな惑星での攻防も、シールドをやぶるやぶらないなんて、今度はほとんど「ジェダイの帰還」まんまな展開。もはや旧3部作の遺産のみでご機嫌伺いもたいがいにしてくれ、と言いたくもなるよ。
そもそもデス・スターの図面がここにありますよ情報を送るとか回りくどいし、いきなりの図面奪還作戦でもよかったと思う。まあそれじゃああまりにも芸がないというなら、せめて余計なキャラクターに向かわせる段取りなんか踏まずに、反乱軍直に重要情報を託してくれんかねえ。ディズニー傘下におちて、必要以上に「家族愛」なんかをストーリーの核に据えようとするからこの体たらくだ。
それと一番ガッカリなのは、最後のレイア姫の表情だよ。CGの出来云々はおいて、あの笑顔はないだろう。そのデス・スターの図面を手にしたところからが大変なんじゃない? 先の先までわかったような笑顔じゃなくて、決意も新たな、これからが本当の戦いなんだというひきしまった顔で「HOPE」って言うべきなんじゃないかなあ?
なんか日本にきたギャレス・エドワーズ監督がクロサワ映画からの引用なんてリップサービスしてた、仲間が集うあたりもワクワク感が乏しかったし。それは登場人物の魅力不足に負うところが大きいかと。で、八犬伝的な、七人の侍的な集い系に注力するより、難攻不落な城を攻略する作戦ものあまたある傑作映画でも研究して、いかに帝国軍機密書類を奪還するかのミッション・インポッシブル・スターウォーズ版くらいのスリルとサスペンス溢れる戦争映画が個人的には観たかったよ。
それでも前述の、さすがの存在感で圧倒するダース・ベイダーだとか、意外と盲目のドニー・イェンなんてもっと活躍してほしかったり、モフターキンのCGIもさることながら、声ピーター・カッシングまんまやんけーに感心したり、楽しんだところも多々あったんだけれど、ダメなところといいところを天秤にかけると、我慢してまでももう一回観る気にはなれなかったな。
おじさんスターウォーズファンとしては、こうして毎年末にブツクサ不満たらたらこぼしながらも、それでもしっかり公開日に期待しつつ観に行くことになるんだろうね。


と...。やっと終わりました、去年映画館で観た映画44本レビュー。
一昨年は「スター・ウォーズ / フォースの覚醒」に半ばガッカリしつつも、年末最後に観た「クリード」には落ち込んだ気分をカバーしてあまりあるほど救われたけれど、2016年は落胆で締めくくりってのは、ちと残念だったなあ。

では、これにてひとまず私としての一大作業がひとつ終わった感じです。次はなに書こうかな。

# by wtaiken | 2017-03-18 02:55 | Comments(0)

まだ言うか「ラ・ラ・ランド」と現時点生涯ベスト20映画   

賛否両論明確に分かれてるってーじゃねえか。そりゃあの「2001年宇宙の旅」にしたって「なんか特撮もう古めかしいしぃ」だの、「ゴッドファーザー」に対し「マフィアの世界を美化しすぎです」だとかならまだしも、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に向かい「時間は不可逆なんじゃないですか?」だなんて言い出しかねない輩が跋扈するネット上での映画評ではあるものの、あんなにもラブリーな映画に向かって低評価を下す人がいるんだねえ、世の中には。
で、大絶賛の私といえば、今週品川IMAXの巨大スクリーンで2回目の鑑賞してきた 「ラ・ラ・ランド」。もちろん2回目だって文句なしの幸福感に浸ってきたわけだけど、ただしこの映画はIMAX向きではなかったな、と。
たとえばオープニング、ロスのハイウェイ大渋滞に巻き込まれている大勢が歌い踊る疑似ワンカットのミュージカルシークエンスはIMAXでそこの大迫力とは言えるものの、この映画の肝はなんといっても主役二人の表情であると私は思っているので、その二人の見つめ合うクローズアップのサイズ感が見上げる大画面ではその表情が追いきれないのだ。このところIMAXカメラで撮影していなくても、なにかと話題作はIMAXシアターにかかるので、この辺は要注意だ。なので、私的には「ラ・ラ・ランド」はIMAXには不向きと断じてオススメしない。
アカデミー作品賞に絡む映画がこれほどの大ヒットになるのは珍しいと記事になるくらい当っているようなので、公開中には是非行きたい3度目の鑑賞は、そこそこのスクリーンにしたいと思う。

さて2回目の鑑賞で、一回観ていたからこそより際立って観えたのは、後学のための勉強と称し、ミアとセブが「理由なき反抗」を観に行く一連のシークエンス。※内容に抵触するネタバレもあるので、これから「ラ・ラ・ランド」を観るつもりで、事前にはなにも情報を刷り込みたくない方は、この先は是非鑑賞後に。

観ている方前提に書くので、内容はかいつまんで。彼氏のいるミアなので、セブも「勉強のために観に行くべきだよ」と誘い、ミアも決してデートとはいわず「勉強よね」と自分に言い聞かせるところからまずいいし、オーディションに落ちた帰り道すがら、その勉強のための「理由なき反抗」のかかっている劇場前を偶然通りががってプチ幸福感がこみ上げてくるところとかの積み重ねの末、約束の映画鑑賞当日に実は彼氏と彼氏のお兄さん夫婦?との会食デートの先約があったことを失念していて、もちろんセブとのことは言い出せず渋々レストランへ赴き、彼氏や彼氏のお兄さんの会話にもまるで心ここにあらずなエマ・ストーンの表情、そんな気もそぞろなミアの耳に、突如二人を結びつけたピアノ曲がどこからともなく聴こえてくるところ、ここの演出がいいのだ! 2回観るとより明確にわかるのが、観客もミアとほぼ同時にピアノ曲がどこからともなく聴こえてくるように音のレベルとカット割を計算しているところ。ここが観ている側とミアとがシンクロしてしまう瞬間で、私がもし女性だったならここで一気にセブへの恋心が加熱してしまうところ。
物語でのミアも、この瞬間に運命を感じて思わず席を立ち、彼氏らを残し店内の人ごみを抜け出し、店を後にして小走りになるんだけど、この走り方、ここもまた注目です! 気は急くものの、(気持ち的には元カレと化してしまった) 彼氏に誘われた店である手前、大っぴらに駆け出せないミアの、もどかしいながらも駆け出したい衝動を抑えた、そんな走り方になっているんだよ、ここ! だから店が見えなくなる角を曲がったところで抑えた衝動を開放して走り出すと同時に、クレーンアップの引き画となって、ミアの心の高揚を表現する演出の見事なこと! そのあとの、遅れて入った映画の途中で広い劇場内のセブをいかにして一刻も早く見つけるかのミアの行動もいい。そのあとのグリニッジ展望台への流れも最高、もろウディ・アレンな空中浮遊な演出も、アレン作2作連続ミューズを務めたエマ・ストーンだからのこそのオマージュか?

もちろんミュージカルであるからには、音楽の良し悪しは映画の評価を左右させるわけだけど、「ラ・ラ・ランド」のスコアは全般とてもハッピーで最高です。二人の出逢いのピアノ曲「ミアとセバスチャンのテーマ」もセンチメンタルだけど決して後ろ向きに聴こえないのは、映画自体が前向きで終わるからなんだろう。2回目では、よりセブの最後の表情にグググっと来てしまいましたよ。

よっぽど観た映画が気に入らないとパンフレットは買わないし、ましてやサントラまで買ってしまうというのは直近5年間では「インターステラー」と「シン・ゴジラ」のみ。映画を観る前からきっと気に入ると踏んでサントラとパンフレットを買ってしまい後悔した「スターウォーズ / フォースの覚醒」なんていう希有な例外はあるものの。「ラ・ラ・ランド」のサントラは今もヘビーローテーションでかかりまくっては、まず1曲目の「アナザー・デイ・オブ・サン」からテンションあがりまくりです。

私はオールタイムの自選ベスト100映画を都度都度更新していて、「おおっ、これは100に入るぞ!」という作品に巡り合うと上書きされていくわけだけど、たとえば2000年以降のお気に入り諸作の中でトップ20位に食い込めたのはたったの1作のみで、それは第11位の「(500)日のサマー」。好き好き言ってても、ノーランの「ダークナイト」も「インターステラー」もさすがに生涯トップ20となるとそれは圏外になってしまうのだが、さてこの「ラ・ラ・ランド」、いまのところ100選には確実に食い込んでくるとは思うものの、順位は決めかねている。試しに現行トップ20をここに挙げてみよう。そのうち寸評をそえて一本立ちさせるつもりだったけど、流れで書いてまえ。こんなラインナップになっているので、映画好きな方の、今後の視聴の一助にでもなれば幸甚ですよ、と。観てるか、映画好きなら、なラインナップかもですが。

第1位 「しとやかな獣」 
この映画を観た30代からこのかたこの映画を越える映画なし。20年近く1位の座は揺るぎないし、脅かす作品も出てこない。早世の天才川島雄三による昭和30年代の映画とは到底思えない大傑作だ。

第2位 「プレイタイム」 
一昨年のリバイバルで観てもいまだ色あせず。コメディーというよりは、もはやジャック・タチによる一大アート作です、これは。

第3位 「チコと鮫」   
昔はかなり頻繁にテレビ放映されていたのにいつの頃からか観られなくなってしまった、ゴーギャンな南国を舞台にした鮫と少年の心温まる友情物語。手塚治虫の「ブラック・ジャック」には、鮫 (あれ?イルカだったかな?) との真珠を介した切ないエピソードがあるが、その元ネタはこの映画なんじゃないかと思っている。待てど暮らせどソフト化はただの一度もされていず、なんか権利関係で厄介なことにでもなっていのかしらん。生きているうちに、もう一度是非観てみたい一作。

第4位 「2001年宇宙の旅」 
まあこの映画体験はやはりかけがえのないものかと。ビデオによる初見からだいぶたってのリバイバル上映で、ちゃんと大スクリーンで観てますよ、もちろん。

第5位 「近松物語」
フィルモグラフィーのどの映画を観ても、どっしりとした骨の太さと貫禄を感じてしまう溝口健二作。その中でも特にこの一作が際立って好きなのは、もとからファンな香川京子がこの作品ではさらにうっとりするほど美しいからに他ならない。

第6位 「肉弾」
少女に出会った「あいつ」が、その美しさに切なくなって雨の中をかけだすところにかかる佐藤勝のテーマ曲。そこでなんだかもうただただ滂沱の涙。「日本の一番長い日」を反戦映画の真っ向勝負作とするならば、こちらはレコードでいうB面。えてしてB面に好きな曲が忍んでいるように、今作の方を私が圧倒的に支持しているのは、作品の良さに加え、大谷直子当時17歳か18歳だった頃のまたとないヌードをフィルムに収めているからでもある。

第7位 「ベニスに死す」
タジオの美に畏怖するダーク・ボガード演じる音楽家の流す髪染めの墨の汗の醜さ。そしてマーラーの楽曲。彼方、永遠を指差すタジオの姿に、私も連れて行ってくれと手を伸ばし息絶える老作曲家。なんて美しい映画なんだ。

第8位 「めまい」
これもまた老いらくの恋というか。その狂気。愛による拘束の恐怖。さまざまな恐怖を描いてきたヒチコックの究極の恐怖映画だと私は思っている。

第9位 「天国と地獄」
黒澤からはこの一作。舞台劇のような前半部分のみで十分な本作。後半は私にとっては付け足しくらいなもの。完璧なストーリーテリング、カメラワーク、個々の役者の見事な演技、そして効果的なクローズアップショット。カンペキです。

第10位 「ブレード・ランナー」
公開時映画館で観て、その特撮にかなりガッカリした記憶があるんだけど、年をとるにつけ年々評価のあがった一作。続編が、創らなきゃよかったのに...にならないといいんだが。

第11位 「(500)日のサマー」
これほどうまくいったラブコメ映画ってそうはない気がするんだけど。ん? ラブコメという範疇ではないか、この映画? まあいいや、カテゴリーなんぞ。最高に楽しめて、最高に切なくなるいい映画なんだから。

第12位 「ゴッドファーザーPART 2」
「エイリアン2」「帝国の逆襲」「ターミネーター2」「ダークナイト」...などなど、特別な魔法がかかるものなのか、なにかと傑作の多い "第二作目" ものの最高峰。私の大好きな役者、ジョン・カザールのフレドがやっぱりいいよ。この人も早世だったなあ。

第13位 「タクシードライバー」
女優見としては、ジョディ・フォスターより断然シビル・シェパード。こんなに美しい女優がいたもんだね、と思ったものだが、ただ美しいだけでは大成しないもんなんだね。それにしたって矯正少女役だったジョディとのキャリアの差はあまりにも開き過ぎだよねえ。

第14位 「時計じかけのオレンジ」
このあたりの順位、ありきたりだなあ、我ながら。当たり前すぎて、書くことも無し。

第15位 「地獄の黙示録」
わー。ありきたりだ。これも映画体験の凄まじさとしては、2001年に次ぐ。これもしっかり公開時に映画館で観ているが、後年評価があがった作品。

第16位 「情婦」
ラストに向かう怒濤のどんでん返しとマレーネ・デートリッヒに感動! チャールズ・ロートン演じる老弁護士の描き方が如何にもビリー・ワイルダー調で、ミステリーと笑いのバランス感覚もバツグン。

第17位 「処女の泉」
ベルイマン作には、いまひとつ良さのよくわからない作品も少なくないが、これはストレートにスゴい映画だと思った。ものスゴく残酷で、ものスゴく美しい映画。

第18位 「仁義なき戦い」
これはオリジナル5部作ひっくめての順位。大ヒットシリーズだが、5作+格段にテンションの下がる新シリーズ3作の計8作のみを3年で駆け抜けた短命さもまたこの映画らしい散り方だ。

第19位 「明日に向かって撃て!」
好きな監督のひとり、ジョージ・ロイ・ヒルからこの一作。映像、音楽、そしてポール・ニューマンの色っぽさ。申し分なし。

第20位 「秋日和」
小津からはこの一作。後年は特に繰り返される同モチーフの映画ながらも、ユーモアとセンチメンタリズムとのバランスの長けたこの作品が私は特に好きだな。佐分利信、中村伸郎、北竜二の3悪友ぶりももはやトリオ名人芸、生一本な司葉子とさばけた岡田茉莉子の関係性も愉しい。

次点の21位はゴダールの「女は女である」。...なんだけど、なんでそんなに好きだったのか、もう一回観ないとこりゃ思い出せないなあ。
20位までをこう書き出してみると、このラインナップに食い込むには、なまなかな作品じゃ無理だな、と。
よって「ラ・ラ・ランド」は、最高位につけて、我ながら意味不明な「女は女である」に食い入って21位...か?あるいはもっともっと順位は下位になるか。面白くても100選には入らない映画なんて数えきれないほどあるわけで。さてさて「ラ・ラ・ランド」、何位にしようかな。

# by wtaiken | 2017-03-11 04:26 | Comments(0)

2017年の映画館鑑賞映画ベスト10指に早くも確定「ラ・ラ・ランド」   

プレゼンターのウォーレン・ベイティに渡した封筒を取り違えたとか、すでにその段階で主催運営者たちの大失態であったわけだが、間違った最優秀作品賞タイトルが全世界へ向けて大々的に発表され、間違ったスタッフ、キャストらが登壇をし、間違った何人かのスピーチが行われている段になってからようやく訂正が入るという、その対処の鈍重さこそがより権威を貶めてしまった感のある今年のアカデミー賞。89回という長い歴史があればそんなこともあるさ、では到底済まされないひどい話だった、そのとり間違われてしまった方の、大本命だったのにオスカーからは嫌われてしまった「ラ・ラ・ランド」は昨年末の全米公開時から各方面の絶賛を聞いていたので、オスカーをとるとらないに関わりなく当然期待を大にして観に行ってきたわけだけど、その膨らむ期待に違わぬとてもいい映画だった。こりゃもう確実に、今年観た映画のベスト10に、確実に入ってきます。

個人的にはいまひとつ乗り切れなかった前作の音楽超絶バトル映画「セッション」がデミアン・チャゼルの長編映画デビュー作であったから、よってこの「ラ・ラ・ランド」は監督の第2作目なわけで、それでこんな映画つくっちゃうってんだからちょっと恐るべき新人監督さんだよ、史上最年少でのオスカー最優秀監督賞も頷ける話だ。とるとらないは関係ないと思いつつ、そりゃ穫ったら穫ったで喜ばしいよね、特に気に入った映画のともなれば。

とにかくこの「ラ・ラ・ランド」は、上映時間2時間の間どっぷりと映画の世界観に浸れたし、恥ずかしい表現をするならば、映画全編のなにもかもが愛おしくなってしまった映画でした。
いわゆるこの映画を大きく括ってしまうなら「前に進むために、あるいは夢を掴むためには、なにかを大事なものを捨てなければならない」モチーフが描かれ、最近ではたとえば「インターステラー」にもこのモチーフが活かされているし、「インサイド・ヘッド」なんかもろそこが映画の泣かせどころだったりする、主人公の成長譚や成功譚には欠かすことのできない普遍的なものではあるけれど、コロコロ変わる表情がキュートなエマ・ストーンや、少し猫背なライアン・ゴズリングの哀愁感たっぷりなピアノ弾き姿、そして切ない音楽が相まって、グググと来ないわけにはいかないのだった。ラストに向かって、怒濤のように描かれる、ありえたかもしれない別の道を思い描くシークエンスなんかも、私はさすがに堪えたけれど、ふたつ隣りの女性が鼻すすり上げるくらい切なくって、いいんだよなあ。だらだら蛇足的に余韻を引きずらずに、スパッと潔よすぎる終わり方も、私は好みだ。
まあなんにせよ、オープニングでの、かなり大掛かりな撮影だったろうミュージカル映画堂々宣言シークエンスからして最高だったわけで、いやあ「映画って、ホントにいいものですね!」が出たね、久しぶりに。ほぼ完璧な映画としてカウントされましたよ。もちろんもう一回は観にいくつもり。

でもあえてひとつだけ苦言を呈するならば、ピアノ弾き姿では気にならなかったライアン・ゴズリングの上半身が、全身をとらえたダンスシーンではちょっと鍛え過ぎな胸板に観えてしまい、如何にもアクション映画も同時にこなしてきました感ありありだったところが、ううん惜しい!って感じ。なにせフレッド・アステアの、なで肩スマートなスタイルこそがミュージカルには最高だと思っている私としては、そのガタイが良すぎたところが気になってしまった。その点、エマ・ストーンは、痩身なスタイル、如何にも愉しげな表情に振り、ミュージカルのダンサーとしてはベストでした。
この映画をして往年のハリウッド・ミュージカルを見事に復活させた、とはまったく思わないし、これをきっかけに雨後のタケノコのようにミュージカル映画が量産されるとも思っていないけど、新しい感性による、新しいミュージカルアプローチによる傑出した映画が生まれたことはうれしい限りだ。もうかなり前になってしまうけど、「(500)日のサマー」なんかも主人公が突然歌い出すミュージカル・パロディーを取り入れる良作もちょいちょい生まれているので、灯を絶やさないよう頑張ってほしいものだなあ。あまり正攻法すぎる「レ・ミゼラブル」系のミュージカルは、私の好きな範疇ではないんだけど。

世の中には、特に日本においてはかなり多くの「ミュージカル・アレルギー」を示す人がいるけど、観ていて首もとあたりが痒くならない、肯否どちらの派閥にも属さない中立派くらいならば軽く推奨をし、もしも「ミュージカル結構観ます」な人だったらもう前のめりで「今すぐ観てきなさい。」と是非オススメをする、とにかく映画を観ている間は "幸福感" に満たされる映画です。オスカー最優秀作品賞? そんなのとったかとらなかったかなんて関係ない、傑作の一本になりますよ。

そんなわけで、「2016年映画館鑑賞映画総括」を一回休んででも、イレギュラーに、鉄が熱いうちにタイムリーな映画評を書いちゃいました。

# by wtaiken | 2017-03-05 03:18 | Comments(0)

2016年映画館鑑賞映画総括 其ノ肆   

9月
32.「セルフレス / 覚醒した記憶」
世の中スター・ウォーズエピソード7以降、隠れ流行語的に "覚醒" 使いばやりだ。監督のターセム・シンといえば、CMディレクターであり、各国美しいロケーションを求めて完成に数カ年かけたという2006年「落下の王国」でのこだわりの圧倒的映像美こそが真骨頂だと思っているのだが、それをピークにして以降「インモータルズ」だの「白雪姫と鏡の女王」だのとハリウッド大作をそれになりにこなしていくそれなりの監督に収まってしまった感がある。これもその系統の一作。普通に面白いし (ホメ言葉) ラストシーンは「ショーシャンクの空に」オマージュかな? 個人的にはバッドエンドもありだと思ったけど。


33.「スーサイド・スクワッド」
偏った映画通ら選出による「映画秘宝」2016年の (一応 "とほほ映画" という表記で配慮している) ワースト映画を、DCコミック映画勢が見事にワン・ツー・フィニッシュ決めた、そのNo.2。※1位は「バットマン vs スーパーマン」。これは以前書いたけど、とにかくこの内容にしてあれだけの期待感を煽る予告篇をつくりえた予告篇ディレクターに惜しみのない拍手を。とにかくなにからどう切り出していいかいっぱいありすぎて楽しくなっちゃうくらいにひどい設定の連続。俗にいう "ツッコミどころ満載" っていうやつで、そもそも私は一連のDCコミックス映画作品のボタンの掛け違いは「マン・オブ・スチール」にあると思っていて、スタート時で敵キャラをいきなり異星人にしてしまったところが味噌のつきはじめだと確信している。DCシネマティック・ユニバースの冒頭からいきなりド派手な異星人VS異星人なんてことをやっちゃうから、「バットマン vs スーパーマン」でもレックス・ルーサーだけではバトルが地味すぎるからと、出自の設定がよく理解できない "ドゥームズ・デイ" なんていうバケモノを出さざるを得なくなるという、2作目にしてこの破綻ぶり。で、もしその軌道を修正できるとしたなら、私はこの悪役ばかりの特攻集団劇で可能だと思っていた。まともな頭じゃ解決できそうもない汚い仕事をあえて減刑という約束とともに任せてしまうというやつで、たとえばなぜ救出になければならないのかわからない単なる一般人をどこぞ難攻不落なところから救い出す作戦だとか。解決していく過程で、実は人類の存亡まで関わるかは置いて、重要人物であることがわかるみたいな。とにかくなんでもいいんだが、もうさーよりによって "魔女撃退" ってのが、もう...。人類にとって、そのエンチャントレスなる敵がどれだけの脅威かもよくわからないし、あの宙空にいろいろかき集めている光る珠は、あれは一体なんなの? なにがどうなってるの? その魔女の力を封じるための制御装置みたいなものもあっさり反古にされて暴走させちゃうってなんなん? それを回収するための特命って、特攻野郎たちにとっての意外などんでんも観ている側からすると「別にそれがどうした」だし。「これからありえるかもしれない宇宙からの脅威に対し、特殊部隊をつくるべきです。」「誰もやんないよ、そんなの」「減刑と約束して、死刑囚らを」「いいねえ」「じゃ魔女もスゴいからメンバーにしましょうよ」「いいねえ」で、暴走。「てめこのやろう、人類を裏切りやがったな。許さないわよ!」ってバカなんじゃないの、出てくるみんなが揃いも揃って。宇宙の脅威からなら、バットマンらジャスティス・リーグがそのうちできるんだから任せときなさいよ。と、それはここでは言わないにしても、じゃあなんだって炎を操るだの射撃の腕がスゴいだのといった特殊能力のない、ただの暴力に歯止めがないだけのヤンキー娘ハーレイ・クインが人類存亡をかける部隊メンバーに含まれるわけ? 登場人物らからもそこについての一切のエクスキューズはないし、てか台本段階でなんか疑問に思う人は総勢何人か知らない製作陣にひとりもいないわけ? 原作がメンバーに加えてるし、じゃダメ。まずそういったところからすべて組み上げないと、台本というやつは。たとえばこの作戦には是非ともジョーカーが必要で、それをかり出すための人身御供でしかない、とかさ。ジョーカーが必要な理由? そんなのはわしゃ知らんよ、脚本チームじゃないんだから。でも観る側としては、とにかく一々に、なんか頷ける設定が欲しいわけで、そう細部をどんどん置きっぱなしに話が進んで行くからもう気持ちが離れる離れる。ジョーカーを演じたジャレッド・レトのピリピリした感じは決して悪くないんだけど、裏もなにもないただただ一途なハーレイ・クインラブラブ設定じゃ浮かばれないよ。でもって極めつけは、スパッと潔く一切の私生活をぶったぎって対ゴジラに特化した「シン・ゴジラ」とは真逆の、えー、こんな後半戦でまだ回想シーン差し込むかね! のいつまでたっても「悪役も1人の人間」描写がくどい、くどすぎる! いやあ、ひさしぶりにひとずきる映画を観てから早半年弱、ようやくここで一気に不満をぶちまけた。私としては「バットマン vs スーパーマン」なんかより数段劣る、去年の断トツワースト・ワン。ハーレイ・クインフィギュア熱に犯されなくて済んで良かった...? とも言える。当ればなんでもよし、品質は問わない? DCシネマティック・ユニバースとしては、もう続編も製作決定。観ません。ハーレイ・クイン主役のスピン・オフ女性ヴィラン特攻部隊ものも創るんだってよ。それには新しいキャットウーマンも。観るかも。


34.「君の名は。」
「人間・失格」みたいな、「。」句点打ちゃOKみたいな。基の、というか元祖というか、数寄屋橋のマチコ巻き「君の名は」とはなんの因果もないようで、戦争という悲劇をはさんで描かれる男女のすれ違いを、今作では未曾有の天災をはさみ込んだ男女のすれ違いという意味では親和性があるんだけど、そこに時空をも絡めた点がミソというか「時をかける少女」というか男女入れ替わりまで取り込んでの「転校生」だったりもする、これまでの新海誠集大成「ベスト・オブ」的な側面のある、とにかくてんこ盛りな映画。ローアングルから見上げる主人公込みの空の捉え方なんてもう毎度お馴染みのカットって感じだし、キラキラした東京の情景描写や「口噛み酒」 (あたしゃ存在すら知らなかったよ) すらもキラキラと美しく表現したり、最後の最後まで頑とした姿勢の父も嘘みたいな話になぜか突き動かされるしで、とにかく醜いだの汚いだのといった暗部を一切描かないような作風だったり、奇跡的すぎの、ありえないことの連続なストーリー自体、もしかしたら好き嫌いの別れるところかもしれないけれど、私は、とっても愉しみました。面白かったです、単純に。これは以前書いて繰り返しになるけど、自分のおっぱいもみもみしながら「よかったぁ」と泣いている主人公の女の子 (?) の姿を見て、わははと笑いながらも涙がこぼれちゃう映画なんてそうはないですよ。それにしても、それまでの興行成績わずか数億円の、一般的に知名度も高くないだろう監督が200億円超えの超特大ヒットを生み出す、というか世の中がそれを導いたメカニズム、そここそが私的には一番興味深いところ。作画監督の安藤雅司はジブリ出身で、ジブリ印の絵力もきっとヒット要因のひとつだろうね。このジブリ、恐るべし、については、このあとにも触れることになる。



寸評のつもりが、酷評と絶賛の2作で長くなってしまった。3本止まりだけど、今日はここまで。
カウントミスで、去年映画館で観た映画総数43 → 44本に上方修正なので、残りあと10本。もう2回くらい続きそう。ではまた。

# by wtaiken | 2017-02-26 04:31 | Comments(0)

2016年映画館鑑賞映画総括 其ノ参リベンジ   

今月末は2本の大きい案件が佳境を向かえており、連日連日確認確認の毎日だ。仮編集映像を確認しては「ここはこう!あそこはこう!でもってそこはそうでしょ!」とぱかりに修正の指示を出し、はたまたクライアントからチェックの入った台本を確認しては「いや、ここはこう直しませんか? ここの文章はおかしくないですか?」などとさらに修正を入れては送り戻したり、そんなこんなの確認作業に加え、朝の7時半からクライアントに仮編集映像を観てもらいに竹下通り脇の某企業へ赴いてみたり、かと思うと汐留の某代理店へミーティングしに行ったり、そんなわけで一気呵成に働いて一息つくかと時計を見やればデジタルの数字が02 : 00を大きく回っていたのするもんだから、おかけで宣言していた続きの更新が叶わなかった反省を踏まえ、今日こそはいきなり本番突入のつもりが、ダラダラなんか前戯が欲しいんだね、どうも。
てなわけで、いきましょう、其の参リベンジ。22本目ですわ。


6月
22.「教授のおかしな妄想殺人」
ウディ・アレンの決まって年に1本公開される新作を、劇場で観はじめてから早何年経つのか。そして今作。邦題が期待させるじゃないか、ウディ・アレン的なコメディを。さあ笑うよ、さあ来るか、おいどこだどこで笑いが炸裂すんだ? まだかあ?まだなのかあ?とじりじりとする1時間半後、終わってみてようやく「なんだこれウディ・アレンの笑えない方の映画か」と気づくという。「マッチポイント」まで振り切ってはいないものの、かなりシリアスな犯罪映画だ、これは。邦題をつけた日本の配給会社の方は感覚がどうかしてるんじゃないのかね。宣伝文句にあるブラック・コメディでもないしね。ただしこのタイトルと内容に齟齬があったことについては作品にまったく罪はなく、むしろ妄想が妄想でなくなった男のたどる末期が如何にもウディ・アレンらしいシニカルな描写で、「よ、粋だね」と思うくらい私は「いい」と思いました。あの老齢にして稀にみる量産型映画監督としては、十二分にクオリティが担保されている。もろちん今年の新作も観るよ、劇場で。



23.「ノック・ノック」
美女、というよりは "かわいい" という形容がピッタリくるアナ・デ・アルマスに、加えてもう1人が実生活では今作の監督イーライ・ロス夫人のロレンツァ・イッツオがだ、よりによって2人揃いも揃って全裸で迫ってくるってんだからさー。そりゃもう普段は善きパパのキアヌだって、男の性が黙っちゃいませんぜよ、てな感じでよろめきますわな。よろめいてワンナイト・ラブに突入しちゃった翌朝に突如「誘惑に負けるなんて、いいパパづらのあんたも所詮ただの男ね! はい、死刑!」って、おいおいおい。むちゃくちゃでござりますがな! の、男からすればあまりにも理不尽な、女からしたらこれ一理あったりするの? なロジックで、キアヌがとことん責めさいなまれる狂気の復讐譚だ。そう、これぞまさししく "狂気" の沙汰というわけで、1977年の「メイク・アップ 狂気の3P」というあまりにもえげつない邦題のリメイクなのだ。もとの方の旧作で誘惑するひとりが、元クリント・イーストウッドの愛人にして現映画監督のソンドラ・ロックで、このリメイクでは製作総指揮として名を連ね、もう1人の、「地獄の黙示録 特別完全版」でもプレイボーイ・ミス5月として豊満なヌードを披瀝しているコリーン・キャンプは、マッサージのおばちゃん役としてこのリメイク作に再出演を果たしている。それはそれとして、やっぱり男は男の立場で観てしまうわけで、あまりにも不条理な展開に、もとの旧作にはないキアヌの「ジョン・ウィック」ばりの反撃を期待したんだけど、結局のところ情けない男に終始する最後の最後、二人によるいたずらの、とんでもない動画アップにコメントがスコーンと入っての、家族が帰ってきてのラストの一言には、そこまで憤懣やるかたなかった私も思わずプッと吹いてしまったわけで、だったらそこの至るまでにもう少しくらいは笑いのエッセンスを散りばめてくれていたら、映画の見方も変わって、楽しめたのかもしれないのにー、と少々残念。リメイクの方の2人は、やっぱりどうあれかわいいし美人だし、で、狂気っぷりがいまひとつ。そういう意味ではもとの方の「メイク・アップ 狂気の3P」、ジャケット、不気味すぎ。特にソンドラ・ロック!


24.「10 クローバーフィールド・レーン」
予告篇があまりにも衝撃的だった「クローバーフィールド」も今やひと昔の、もはや忘れられた映画と言っても過言ではない作品の、なんでまた今更な、同一世界における、別の場所での事件後の物語なんだそうで、それでも一応観に行くという。でまた別シチュエーションの次作もあるという。で今作に特に感想はないという。



25.「ヒメアノ〜ル」
あっぷねーなー、森田剛。あれリアル森田剛なんじゃねーの、というくらい迫真といえば迫真。感情を子供の頃に置き忘れてしまった、どうやら原作漫画にはないらしい描写にはちょっと揺さぶられたけど、それくらいかな、感想は。


7月
26.「アリス・イン・ワンダーランド / 時間の旅」
白の女王アン・ハサウェイだけを観に行ったので、やっぱりそれだけの映画だった。そもそも前作は大ヒットしたけどまったく面白くなかった、そんな映画の続編が楽しかろうはずがないじゃないか。3Dブームの置き土産的に、一応もう1本創っちゃいました、な、もはやどうでもいい映画。


27.「ロスト・バケーション」
人間って、サメ好きだよねー。「ジョーズ」以降、どれだけのサメサメパニック映画が創られてきたことか。そしてそのすべてが「ジョーズ」の前に撃沈する宿命にある。とはいえCG技術も行くトコまで行ったことだし、どれ久方ぶりにサメサメパニックに浸ってみっかと、少々期待して観に行ったわけだけど、結果「ジョーズ」の土俵にも上がらせてもらえないというか、あの金字塔には、どんなサメ映画だろうと、昇るどころか門も叩けないんだなあ、とつくづく再認識。これは以前ブログに書いたかもしれないけど、かつて試写会で「ジョーズ」を観た野村芳太郎監督が、声をかけた小林信彦に向かい「もうこの監督の映画は観る必要がありませんね」と言ったんだそうだ。面白く観た小林が「どうして?」と訝ると、野村監督は平然と「彼はもうこれ以上の映画は創れませんよ。この映画が彼のキャリアのピークだから観なくてもいい」的な断言をしたんだそうだ。実は最高の賛辞をおくっていたと言うわけ。"見巧者" とはこういう人のことだ、と小林信彦はエッセイに記している。って、まったくこの映画評から離れてしまった逸話だが。もはやなんぴとたりとも「ジョーズ」を越えるサメサメパニック映画は創られず、「ジョーズ」の前に「ジョーズ」なし、「ジョーズ」のあとにも「ジョーズ」なしという、そんな唯一無二な映画は確かにあるのだ。たとえば第一作目の「ゴジラ」もまた然りで...なんて、その時は思いめぐらしはしなかったものの...


28.「シン・ゴジラ」
よもやこの齢で、これほどまでに「ゴジラ」映画に感服することになるとは思いもしなかったよ。なにかとんでもなくスゴい映画をつくってしまった庵野監督は、言うまでもなく「エヴァ」で一世は風靡したものの、この実写もの1作で、突如日本映画界の次作を待たれる大注目の映画監督へごぼう抜きで飛び出した感がある。そりゃ映画はもちろん面白かったさ。特にあーでもないこーでもないと首脳会議が連発する前半、もうあたしゃ終始にんまりして観てましたもん。特に「あれ、動くんだ」の中村育ニがツボ。長谷川の「ガッジィラ? 言いにくいな、ゴジラで行こう」とかね、いいよね、随所セリフが。で、私的な一番のピークは、北品川における迎撃するかしないかの攻防戦。自衛隊機と第三形態ゴジラのにらみ合いがもう最高にスリリングで痺れました。たとえば第二形態の、あのとってつけたような死んだ魚のような目はもろに使徒だし、第四形態での背びれが延びて幾本もの光の棒になる描写は、ありゃ巨神兵のまんま、原作漫画の、だけど。最後のゴジラの尻尾も、私にはエヴァ、というか綾波に見えたけどね、とか。とまあとにかくあれはこうだの、それはこうだのと語らせる映画にしたのがマニアを生むには正解で、語ればいくらでも語れそうな、俗にいう「メシが何杯でも食える」そんな映画としての面白みもさることながら、私としては、新しいゴジラ映画を、まだ実写映画では実績の乏しい1人のアニメーション監督に託した大英断をこそ評価したいわけで、さらに快諾までにはいろいろあったみたいだけど、面白いゴジラ映画のためには外野の声には一切耳を貸さない監督ぶりとそれを許した東宝制作サイドに賛辞だ。たとえばゴジラ映画と言えば親子で楽しめるファミリー映画としての側面をなんの未練もなくバッサリ切り捨て、過去作からの呪縛もすべてバッサリ断ち切り、おかげで如何にもな東宝大作キャスティグや、ゴジラといえば的なカメオ出演なんかも一切しないという潔さ、登場人物らの余計な恋愛関係や私生活描写もまるでなし、人間対ゴジラのガチ勝負を気の抜く描写一切なしで描ききった、とにかくゴジラ映画としては異例中の異例でありながらも、これぞ観たかった怪獣映画だと思わせとしまったという、こりゃもう今にも切れそうな細い糸のうえを綱渡りして成功したような神業くらいに私は思っている。正直、代理政府以降はちょっと飽きた感もあったり、他にも、単なる巨大な立像のように目も何も一切の感情を見せかなったゴジラの、人によっては "待ってました!" なのかもしれない咆哮は、個人的には吼えない方が不気味でよかったにのー、なんて思ったりとか。マイナス面もないことはないんだけど、やっぱりこの映画は、創られたことに意義があるんだと思う。よもや次作まで「エヴァ」を待たせて庵野が監督を続投するとは思えないので、これが創られてしまった以降のゴジラ映画をどうしていくつもりなのか、どうでるのか東宝は、が目下気になるところ。
ちなみに何回も劇場に足を運んだ映画は、その回数分カウントしているので、公開日に観たこの映画は、たまらず3日後に2回目の鑑賞をし、トータル29本目の映画も「シン・ゴジラ」であり、公開が終わりそうな8月末日に3回目の鑑賞をしたので、次の1本を挟んで31本目も「シン・ゴジラ」となります。


なので
30.「X-MEN : アポカリプス」
だからさー、こういった特殊能力の寄せ集め集団同士のバトルは、肉弾戦じゃダメだって。特殊能力が3人くらい集まればもうそりゃ千人力になるんだから。千人力対千人力の力比べなんて、そんなの映画じゃないよね。たとえば第1作目での鋼の爪持つウルヴァリンに対し鉄を自在に操るマグニートだったり、そのマグニートを封じ込めるために総プラスチックの牢獄に監禁するとか、じゃあその牢獄を脱獄させるためマグニート好きのミスティークが守衛を色仕掛けで誘って鉄分の多いドリンクを無理矢理飲ませ、それを感じ取ったマグニートが「ん、お前のカラダからは鉄の臭いがするぞ」なんて体内の鉄分を噴出させ寄せ集めてつくった鋼鉄の球を投げ打ちうまうまと脱獄に成功するとか...とにかくあー出ればこー行く的な頭脳戦を用いないと、もうまったく面白くないです。ブライアン・シンガー、腕が落ちたねえ。本流がこんな出来じゃ、そりゃ「デッドプール」が喜ばれるのも無理はない。



いやあ、30本までレビューしたなあ、あんまり関係ないことも入れ込みつつ。
次回でこの短期連載も終わらせたいところ。書きはじめたらまだまだ書きたくなった「傷だらけの天使」についても、できれば放送中にアップしたいし。ではまた。

# by wtaiken | 2017-02-25 02:21 | Comments(0)

2016年映画館鑑賞映画総括 其ノ参   

2月の二週目からBS12 (トゥエルビ) にて、火曜から金曜の夜9時より「傷だらけの天使」がオンエア中だ。週4話、全26話はおおよそ1ヵ月でオンエアが終了してしまうが、もしこれを読まれている方で「DVDを持っているから別にいいです」なんていう人は明日からでも遅くない、エアチェックすべし、だ。
2013年に発売されたBlu-Ray版は持っていないからその画質との比較はできないが、所有している2001年版の2BOX版との比較で言うと、まずもって全体的な暗部、暗い画面がかなり明るくなっている印象だ。その分粒子の粗さも軽減されており、明らかに全体の画質はアップしている。第3話「ヌードダンサーに愛の炎を」での中山麻理のゴージャスなストリッパーぶりが、少しばかりではあってもキレイな画質で観られたのは、いやあよかったよかった。
おそらくDVDもオンエアもマスターは同一なんだろうけど、DVD盤における暗くて粗かった画質は再現性の限界なんだろうと思う。さらに言うなら、BS放送の画質は、おそらくBlu-Ray版と同等の画質だろうと憶測する。よほど気にして見比べない限りは、両者共に「ああ、40数年も前の、古いテレビドラマの粗い画質ね」と判断されてしまうくらいの差ではあるが。
ただ中学の頃、4時台の再放送を観て以来のファンとしては、少しでも明るくキレイになった今回の「傷だらけの天使」は嬉しい限り、とはいえ "テレビドラマの金字塔" にとどまらず、神代辰巳、深作欣二、工藤栄一、そしてなかなかソフト化に恵まれない鈴木英夫ら錚々たる映画監督たちのフィルモグラフィとして、誰かしっかり16㎜フィルム原版の1コマ1コマからリストアを行い、後世に残るよう鮮やかに蘇らせてはくれないものかね。誰かー、奇特な人ー、お願いー。
いや、その前に、テレビドラマとしては異例中の異例、全26話を35フィルムで撮影した「祭ばやしが聞こえる」が早くソフト化されないかなあ。無理かなあ。BS12でショーケンものとして、「前略...」から「祭ばやし」と続かないかなあ。と淡い期待。

と、ひさしぶりに前段が長くなったおかげで、本題の映画評が...力つきた、というよりはもう仕事しなくちゃだわ。
こんな中途半端もなにもタイトルに偽りありな記事にはしたくないので、本日中には「デッドプール」の続き、22本目の映画評で更新予定です。ではまた。

# by wtaiken | 2017-02-22 23:13 | Comments(0)